教育福島0075号(1982年(S57)10月)-012page
や考え方が導き出される問題場面設定の工夫
ウ それに対して、既有の知識や技能を生かし、自力解決を試みようとする意欲のもたせかたの工夫
エ 新しい問題に気づかせ、次時の学習への関連をはかる工夫
3)児童の考え方を大切にすることで共通理解をはかった。
ア 一人一人の着想発想を大切にし、多様で個性的な考えを引き出して、指導過程に位置づける授業
イ じっくり考え、自力で解決したり深めたりする活動を大切にする授業の展開
4) 下位児童に対する指導に心がけた。
ア 指導過程の中で、一人一人を最大限にのばすための手だてや留意点を(下位児童は一般のそれと区別して)◎印で明示
つぎに、問題の与え方、児童の考え方を大切にした指導法や学習状況把握の個別指導例などあげてみる。(図5・6)
(三) 合科的指導への取り組み
◇取り組みの基本的構想
1) 教科の枠を越えた児童の豊かな発想や、多面的なものの見方、考え方を育てるよら努めた。
2) 合わせて取り扱っている教科の目標の効果的達成を図った。
3) 体験的な学習活動を中心として学習意欲を喚起し、一人一人の力を十分のばすよう努めた。
4) 理科と他教科の関連を検討した。(年間指導計画より関連性をとらえる)
5) 年間指導計画から、単位時間のねらい及び内容を抽出した。
6) 抽出したねらいや内容を、各教科の指導書(文部省)をもとに検討した。
7) 児童の実態から主題を構成した。
8) 時数の扱いは、年間指導計画作成の時点において、指導のねらいと適時性などから他教科の時間と合わせて調整する。
◇合科的指導計画(省略)
図4 問題の与え方を工夫し、児童の考えを大切にした指導
導入部分における問題提示の工夫と児童の考え方を大切にした展開
例、 算数 3年 「整理のしかた」 1/9時
本時のねらい
資料を分類し、'表に整理することができる。
◆ 問題の与え方のくふう ◆
●資料を分類するのに「正」の字を使う必要性を感じさせるため、資料を一度に全部提示せずOHPロールシートを使用し、時間的にずらして提示するようくふうした。
◆子どもの考え方を大切にする ◆
●資料を分類・整理するためのいろいろなやり方を発表させ、その中からよりよい考え、より確かな考えに気づかせる。
指導課程
図5 学習状況の把握
学習状況一覧表に、毎時間の学習の様子(特に下位群の児童に留意して)を記録し個別指導等に生かし、評価に役立てる。
例、 算数6年 「対称な形」 (11時扱い)
●A、B、Cの3段階で記入
●¢は後でできるようになった場合
●技術的には調査の時にAとCを書き込んでおき、あとで空らんBを記入
●備考らんの「追」は11時に個別指導強化
●9時がないのは「まとめ」の時間のため
三 成果と反省
◇教育課程研究指定校として、授業の充実は研究内容の一部であったが、次の成果をあげることができた。
1)児童一人一人がじっくり問題に取り組み、自力で解決するようになつてきた。
2)授業の導入では、ねらいに対し児童が課題をとらえられるように、問題の与え方に工夫と努力がみられた
3)「私はできない」という下位児童