教育福島0078号(1983年(S58)01月)-024page

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研究論文特選

 

算数

 

自己評価をとり入れた

 

指導法の研究

 

いわき市立平第四小学校教論

 

渡辺賢吾

 

一 主題設定の理由

 

算数科の学習は系統的に組織配列されており、どこかで児童がつまずいたのをそのまま放っておいたり、学習意欲が欠如したりするとすぐ、不振となる傾向がある。それが高学年になるにつれそのつまずきの蓄積が多く、またもう自分はできないのだといったあきらめなどにより、その不振から救い出すのに多くの時間と労力が必要とされる。そのために結局はそのままにされて、「落ちこぼれ」となり、いろいろな問題を引き起こす原因ともなってくる。

そこで、四年前から「教育評価」の研究にとりくみ、情意面の評価を解決できることが分かったので、現在担任している児童の算数科の不振児を救うために本主題を設定した。

 

二 研究の仮説

 

算数の不振児と呼ばれるものの能力性格、対人関係、学習態度、環境などからその不振の原因をつきとめ、それを排除しながら、自己評価をとりいれた学習活動により「できた」「わかった」といった満足感や成就感を味わわせるとともに、基礎的、基本的事項を確実に身につけさせて自信を持たせれば不振から立ち直ることができるであろう。 (不振児を救うための教育と不振児をつくらないための教育の手立ては省略)

 

三 研究の対象者

 

五年と六年の二年継続研究

 

四 仮説検証のための実践

 

(一) 不振児を救うために

(1) 実態調査と個別指導の計画

1)実態調査(省略)

イ 知能検査

ロ 学力検査

ハ 性格検査

ニ 家庭調査

ホ 交友調査

へ 学習率(単元ごとに実施)

ト アンケート

2) 算数科の不振児のとらえかた勉強ができないと不振児だといわれるがそれでは判定の基準があいまいなので、絶対的な判定基準と相対的な判定基準を設けて、資料1のように判定した。

3) 不振児をつくった原因

算数の不振に陥った原因はいくつか考えられ、また個人によっても違ってくるので一様には言えないが、資料2のようにまとめることができる。

4) 個別指導の計画(省略)

(2) 生活の面の治療

病気でも同じであるが本人がまずそれを直したいという気持ちを持つことが大切で、不振から立ち直れるという希望を持たせるために、生活面の治療から始めることにした。

1)性格を変える

不振児は性格的にも多くの問題点を持っており、それが精神的な面を圧迫し不振に至らしめているので、その性格を変えることにした。不振児は「個

 

資料1 5年一組 算数科の不振児の判定

資料2 学習不振の原因調査のまとめ

 

資料2 学習不振の原因調査のまとめ

 

 

 

 


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