教育福島0078号(1983年(S58)01月)-025page

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人不適応型」がほとんどで、これらの児童の特徴として、非生産的で反社会性が強く、個人的に十分な満足感が得られていない傾向を示している。また性格プロフィールから判断されることは非社交的で劣等感を持ち、情緒も不安定な状態にあることがわかった。これらの性格は環境、特に人間関係によってつくられたものが多いので、教師と父母と友人などの協力によって、ある程度まで性格を変えることも不可能ではないと考え、次のような実践をした。

イ 生活指導の中で

・「生活個表」により一月の生活行動を記録し指導する。(省略)

・一日一回以上必ず良い面を見つけて賞賛する。(省略)

ロ 各教科等の指導の中で

・社交性を高めるために(省略)

・劣等感をとり除くために(省略)

・情緒を安定させるために(省略)

2) 学習態度を変える

毎時の学習態度で劣っている面を一人ずつ表にし、約束ごとをつくって習慣化されるまで繰り返し指導した。(表と指導計画は省略)

(3) 学習面の治療

イ) 内容の精選と目標分析

今までの授業は、中位の児童に焦点を合わせて学習目標を設定してきたが「教育評価」の研究により、学級全員が達成できるようにするため、最下位の児童に焦点をしぼって学習目標を設定するようにした。そのために、下位目標を設定し、本時のめあてが達成されるためには最低これだけはできるようにと行動目標を示し、自己評価もできるように基準を明確にした。(資料3)

ロ) 個別指導をとりいれた指導過程

一斉指導の中で基礎学力の著しく劣っている不振児を救うことはむずかしいので、特に第四段階の「深める」ところで、複式的授業を進めることにした。(資料4)

「解決する」段階での評価により、本時のめあてが達成された児童は次の「深める」段階で類似、応用、発展的問題へと個人またはグループごとに挑戦し、本時のめあてをさらに深めたり一般化したりして自主的学習を進めることにした。そして「解決する」段階で本時のめあてが達成できなかった児童には個別指導により個に応じた指導をすることにした。予め予想される場合はプログラム学習的なものを準備した。

ハ) 自己評価を促す学習活動

教師が一方的に評価をしながら指導するよりも、児童が自分で学習のめあてを持って、段階ごとにそれが達成されたかどうか自己評価しながら学習を進めるようにした方が、より効果的に目標達成ができる。それによって「何が」「どこが」「なぜ」「どうすればよいか」などを考えさせ、フィードバックしたり、アドバイスを与えたり、

 

資料3 目標分析

資料4

 

資料4

7.本時の目標

◎1pの方眼紙にかかれた平行四辺形を長方形に等積変形して、面積を求める二とができる。

8.指導過程

下位目標

1)平行四辺形を分解して長方形に合成できる。

2)長方形のたてと横の長さを調べて面積を求めることができる。

 

 

 

 


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