教育福島0078号(1983年(S58)01月)-026page

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また補説を加えたりして学習を進めることにした。この自己評価は評価の基準をはっきり明示しないと児童は適当にごまかしてしまうおそれがあるので十分に前もって自己評価の方法等を訓練しておく必要がある。(資料5と6)

なお、ハンドサインと、サインボックスの使用によって自己評価に工夫を加えている。

ニ) チェックリストの使用

相互評価に役立てる(省略)

ホ) レディネスの補充

ある道元を学習する場合、前時までに学習した既習事項が確実に身についていないと支障を来すことになる。特に不振児と呼、ばれるものは、この既習事項が身についていないために、学習について行けなかったり、わからなくなってますますその傷を広げてしまう。そこで、目標分析の際に、これだけはレディネスとして確実に身についていなければならないと思われる基礎基本的事項を取り出した。そして、それをもとに「前提テスト」を自作し実施した。そりテストの結果、学習全体としてまた個別に正答率を一覧表にし劣っている事項を再指導した。(一覧表と個別指導の方法は省略)

へ) 計算カルテ

算数科の学習で計算がよくできな、いというのは致命傷で、学力調査の結果からも不振児はやはり計算ができないことがわかった。そこで、一年生から六年生までの計算の基礎を学習指導要領から拾い出し「計算の系統表」を作成した。それによって問題を作成しテストを実施した。その結果を「計算カルテ」(資料7)にどんな計算ができないか、どこでつまずいたかを診断し継続して治療を行うことにした。この「計算カルテ」は学年や担任が変わっても継続して使用でき、本人が計算に自信を持つまで何回もドリルとして計算練習ができるようにした。また、担任が個に応じた問題を作成できるので全校生が利用している。

ト) 算数の学習を好きにするために

五年生の四月に「算数の学習が好きですか」というアンケートの中で八名が「きらい」と答え、なんと不振児の五名がこの「きらい」の答えの中にあ

 

資料5 段階ごとの自己評価と教師の働きかけ

資料6 ノートでの自己たしかめ

 

資料6 ノートでの自己たしかめ

●「まとめ」の段階の自己評価

●「まとめ」の段階の自己評価

(1) 本時の学習は楽しかったか。(赤○)

イ.よくできた。

ロ.よくわカ・つた。

ハ.進んで発表できた。

二.まちがいを見つけた。

ホ.集中できた。

へ.友達の発表をよく聞いた。

ト.むずかしい問題が解けた。

チ.忘れものがなかった。

(2) 数学的に考えようとしたか。(青○)

イ.予想をたてることができた。

ロ.前に学習したことを活用した。

ハ.解き方で一番よい方法を見つけることができた。

二.算数のよさ、おもしろさを見つけることができた。

 

資料7 計算カルテ

 

 

 

 


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