教育福島0078号(1983年(S58)01月)-027page

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った。まず何といっても算数の学習を好きにしなげればこの不振児を救うことは不可能であると考え、次のような実践を工夫した。

イ 課題は身近な生活の中から、具体的な事例を用いることにした。(例略)

ロ 少しでも、発表したらはめる。(例略)

ハ まちがった答えを発表しても決して笑ったり、馬鹿にしない。

ニ 百点取るまで励ます。同じテストを何回も実施し百点取らせる。

(4) 家庭との協力(省略)

(二) 不振児をつくらないために

今は不振児でなくとも、児童はだれでも担任が変わったとか、学級が変わったとかのちょっとしたきっかけでもすぐ不振児に変わる要因を持っている。そのため、不振児を救う指導とともに不振児にさせないための指導や能力のすぐれている児童をもっと高めるための指導も並行して行わなければならない。

1) 発見的学習により児童中心の学習を展開する。(資料8)

2)評価活動を生かして主体的な目標達成を図る。(資料9)

3)「学習率」を高めるため、毎時の学習目標を完全に達成する。(資料省略)

 

五 研究の結果の考察

 

(一) 児童の変容

(1) 学力調査の結果から「学力偏差値」と「成就値」による不振児は一人もいなくなった。そればかりか学級全員の学力が大きく向上した。

(2) 算数の学習が好きな児童が増加し「きらい」と答える児童が一人もいなくなった。 (グラフ略)

(3) 毎時の学習のめあてを各自が設定し、それによって自主的な学習が展開され、自己評価しながら意欲的に進めるよらになってきた。

(4) 不振児と呼ばれた五名の児童の性格が変わりつつあると同時に、学級全体が明るく、活発になり、好ましい人間関係が深まってきた。

(二) 教師の変容

(1) 目標分析により、教材の精選、重点化を図り、「ゆとりある授業」ができるようになった。

(2) 単元ごとの「前提テスト」や「事前テスト」の実施により、一人一人のレディネスを把握し、個に応じた指導ができるようになった。

(3) 児童の性格を変えようとしたことから、生徒指導の大切さを痛感し、生徒指導にも力を入れるようになつた。

 

六 今後の課題

 

学力調査からの不振児がいなくなったが単元ごとの「学習率」による不振児が多いので、今後とも教材の精選や指導過程の合理化、指導法の改善などを中心に研究を継続して行きたい。

 

資料8 発見学習のための基本過程

資料9 評価の基本構構想

 

資料9 評価の基本構構想

目標分折と評価活動(基本構想)

 

 

 

 


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