教育福島0078号(1983年(S58)01月)-029page

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投影し、感想の中心が相手によくわかるような組みたてになつているか話しあう。

ウ) ならべかえながらできた構想表を構想の素材とする。

3) 記述指導においては

ア) 構想表をもとに感想文を記述してゆく。

4) 推敲指導においては

ア) 構想表をもとに推敲の記号を使いながら推敲してゆく。

以上の流れにそって指導し、学習させていったならば、他の本を読んだ場合でも、もっとも書きたい感想の中心が、読む人にはっきりとわかる感想文を書く力が身につくものと思われる。

 

三 研究の概要

 

(一) 指導計画立案にあたっての意図

1)複式学習のため、各学年の学習の手びきをつくり、指導の効果を高めるようにする。

2)視聴覚教材の活用をはかり、学習意欲を高めるようにする。

3)第三学年においては、新美南吉作「手ぶくろを買いに」を読んでの感想をもとにして、教師とえんぴつ対談したものから取材し、手紙を書かせるようにする。

4)第四学年においては、シートン作「おおかみ王ロボ」で感想文の構想のたて方について集団思考しその学習の中で培ったものをつかって、他の本を読みひとりあるきで感想文を書くようにする。

5)各学年とも、指導前と指導後の作品(手紙、感想文)を比べその変容を調査する。

6)各学年において、取材、構想、記述、推敲の指導段階における評価基準を設け、指導前と指導後の変容を調べ、指導方法の効果を検証できるようにする。

7)単元の学習の後に各学年とも取材、構想、記述、推敲の各段階において学習前と学習後とを比べ学習の成就感をもたせるようにする。

8)各指導段階における評価基準は学習指導要領の各学年の目標や言語事項ならびに表現の内容を熟慮した上で、上、中、下の三段階におさえて作成してみる。

(二) 指導計画(資料1)

(三) 授業の意図

1) 授業にあたっての基本的な考え方は、一、課題把握、二、課題追求、三、整理、四、発展の段階を踏んで指導する。

2) 少人数学級の特質を生かし、一人一人について、学習指導の中で特に配慮すべき事項をとりあげ、授業を組織するよう心がける。

3) 単元全時数の複式指導の時案を作成し、一時間一時間の指導のつながりを大切にして実践する。

4) 指導に対する児童の反応や考察をてがるに記録できるように指導案の形式を工夫する。

(四) 学習指導案(資料2)

 

四 結果の考察

 

・三年の場合

(一) 児童の変容(資料3)

1)伝えたいことを集める2)組みたて3)書く4)書き直しの指導過程にそって評価段階をみると、指導前では中、下だったものが、指導後においては上となった。

(二) 各段階における考察

1)伝えたいことを集める(取材)

自分のもっとも伝えたいことなど考えずに表現していたものが、「手ぶくろを買いに」という童話を読んで教師とくわしくえんぴつ対談をすることによりもっとも伝えたいものはこれだというように書き手自身がはっきりとつかむことができるようになった。

このことは、えんぴつ対談における教師の質問が、児童の深い読みとりを助ける上で適切であったと言える。ここで得た書き手の取材における確信は、手紙を書く活動の原動力となっていった。

2) 組みたて

くわしい内容でえんぴつ対談をすることにより、もっとも伝えたいことをつかみとりそれをもとに組みたてをつくることができた。

 

資料1 単元の指導計画構想

 

 

 

 


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