教育福島0081号(1983年(S58)06月)-032page
教育センターから
昭和58年度
研修・研究事業の概要
はじめに
福島県教育センター条例によって定められているように、本県教育センターの行う主たる事業は
○ 教育関係職員の研修に関すること
○ 教育に関する専門的、技術的事項の調査研究に関すること
○ 情報処理教育に関すること
○ 教育相談に関すること
○ 教育に関する図書及び資料の作成、収集及び活用に関することなどであり、いずれもその成果を県下の幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び盲・聾・養護学校での教育実践に生かし、本県教育の振興と充実に寄与することをねらいとして企画され、実施されているものである。
これらの事業のうち本号では、当教育センターにおける昭和五十八年度の研修・研究事業の概要について紹介し当該事業に対する理解を一層深めていただくようにしたい。
一 研修事業について
研修事業は、教職員に対して、教育における専門職としての資質能力の向上を期待し、更に充実発展した教育の実現をめざして行われる事業である。
当教育センターが行う研修講座は、第二次福島県長期総合教育計画(昭和五十三〜六十年度)の施策の基本方向に基づく「教職員現職教育計画」の一環をなすものである。この計画は、県教育庁関係機関が実施している研修について、その体系化と効果的な推進を図るために策定されたものであり、そのなかで当教育センターが担当するのは、学校経営、教科指導、道徳、特別活動、生徒指導、教育相談等に関する研修である。
これらはすべて、教員研修における専門研修として位置づけられており、基本研修を基盤として、職責遂行上必要な専門的知識・技能等を重点的に習得し、基本研修の成果を発展・深化することを目的とした研修としている。
また、研修講座はすべて、一次・二次・共通の研修区分に分かれている。一次は教職経験年数十年未満の者(当分の間は二十年未満も含む)を対象に基礎的内容を中心に研修し、二次は教職経験十年以上で、発展的内容を中心の研修、共通は教職経験数に制限をもたず、研修内容にも幅をもつ講座としている。
各講座は、教職員の発展的な自己研修が一層活発化することを期待し、また、児童生徒及び地域の実態に即した校内研修が更に推進されることをめざしながら、講義、研究協議、演習、実習、実験等種々の方法が工夫されている。
講師や助言者も、県の内外にわたって幅広く人選し、講座の内容にふさわしい研究や実績のある大学教授・助教授、学識経験者、教育庁職員及び現場の教師など多彩な指導陣により、講座内容の充実を図ってきている。
(一)研修計画
○学校種別研修講座数と講座開設回数
・学校種別 ・講座数 ・開設回数
小中高共通 八講座 二〇回
幼稚園 一講座 一回
小学校 一四講座 三四回
中学校 一四講座 二七回
高等学校 二三講座 二五回
合計 六〇講座 一〇七回
○学校種別研修人員
・学校種別 ・定 員 ・延人員
幼稚園 三〇人 三〇人
小学校 八四〇人 九五二人
中学校 六二七人 八九一人
高等学校 五三四人 六三八人
盲聾・養護 二二人 二二人
合計 二〇五三人 二五三三人
○研修講座開催期間と開催日数
講座開始日 昭和五十八年六月一日
講座終了日 昭和五十九年二月九日
講座開催日数 一一四日
(二)研修内容
当面する学校教育の課題の一つとして、児童生徒の健全育成につながる生徒指導の充実・非行防止の徹底があげられる。この要請にこたえるため、当教育センターにおける本年度研修事業の特色として、教育相談の充実強化に役立つ「学校カウンセラー養成講座」