教育福島0081号(1983年(S58)06月)-039page
ぼくの学校わたしの学校
檜枝岐村立檜枝岐中学校
三年
小倉節子
福島県の南西に位置し、燧ヶ岳や会津駒ケ岳などの山々に囲まれ、尾瀬の入口にもなっている檜枝岐は、人口六百六十人の村です。しかし、面積は村では県下一の広さがあります。更に、日光国立公園の一部にも当たり、先にあげた山の頂上からは、遠く富士山を望むことができます。そのため、水芭蕉や紅葉の季節になると、観光客が多くなり、静かな村も急ににぎやかになります。また、夏は涼しく、冬は二メートルもの雪が積もり、半年間をその雪の中で過ごします。
こうした中にある檜枝岐中学校は、全校生徒三十九名という少人数の学校です。校舎は、小学校と続いており、体育館や給食室は小学校と共同で使うようになっています。また、村の全戸に温泉がひかれているため、学校で使うお湯は温泉です。だからいつでもふんだんにお湯を使うことができます。
ところで、檜枝岐中学校で盛んなスポーツといえば、やはりアルペンスキーです。全国大会出場経験者も多く、男子十八人中六人が出場しています。各種大会でも、ほとんどが上位入賞を納め、スキーの檜枝岐と言われるほどです。今では、檜枝岐中学校の誇りとも言えるスポーツになっています。
また、五月と八月に、国指定の「檜枝岐の舞台」で演じられる歌舞伎に出演し、貴重な経験をした友達もたくさんいます。
更に、少人数の学校のすばらしい点は、全校生徒が友達で、とても家庭的な雰囲気の中で生活できることです。今年からは、より一層親睦を深めるために、全校生徒をいくつかのファミリーに分け、そのファミリーごとに、勉強を教えあったり、いも煮会で一緒に料理を作ったりするという新しい企画もされています。
私は、今までに何度か、大きい学校をうらやましく思ったことがあります。小さな学校でいつもひけめを感じてしまうからです。でも今は違いますこんなに自然に恵まれた、すばらしい環境の中で勉強やスポーツができる私達は、とても幸福だと思います。そして、いつまでも守り続けていきたい学校です。
▼第19回全国中学校スキー大会にて
山のふもとの校舎▼
(校長 高久利美・生徒数39名)