教育福島0096号(1984年(S59)11月)-037page

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「放送婦人学級」ではないかと思います。

親として子どもをどう育てていくかは、最大の課題であり義務なのですが、親自身の育ち方、価値観、倫理観また養育態度がそのまま子どもに反映するのは仕方のないことだと思います。子どもがどう育つかは親がどう育てられ、育っているかということではないでしようか。「子どもをしつける前にまず親をしつけなさい」という言葉にもうなずけます。現在のように社会が多様化してくると、親自身が揺れ動き自信もなくなり「積木くずし」のような現象も出てきます。

視聴覚教育の家庭版とでもいえる「お母さんの勉強室」は家庭にあって、とても参考になり、またしっかりとした教育観を持つためにも意義の深い番組だと思います。

放送婦人学級を通して、多くの先生方から教育現場での「生の声」をお聞きすることができ、本音にちかいところで語り合えた事は、とてもうれしく、楽しかった。また、先生方ご自身の子育て論、体験談などを通して学ぶことも多く「子育て前線」に明るい光を感じました。

現在お母さんたちが抱えている問題、特に「子育て」における原点が「家庭教育」にあることが全般にわたって話し合われ、その大切さを改めて思わされました。

(文集より一部抜粋)

(三) 放送利用による「家庭教育」への効果(評価)

1)子育てにおける連帯感放映された講師の考え方を通じて学習し、自分ひとりだけの悩みでないことの確認によっての安心感から発生する連帯意識の強化。

2)学習の家庭への還元一学習の生活化)

学習を即家庭生活に活用し、円満な親子関係の確立に役立たせる。

3)教育番組への期待

放映に対して「視聴の目」が養われたこと。批判力の高まりによって、更に良い番組製作への期待が高まっている。

4)公民館の各種学級への波及

放送学級への参加により、公民館事業に自主的参加の婦人も増え公民館事業への理解が深められた。

 

四、五十九年度 福島県くらしに生かす放送利用研究集会−浜通り大会

 

七月十日(火)本町で開催された集会には浜通りを中心に県下各地から百余名の参加者で盛会裡に終了することができた。

本研究会の中心である公開学習への婦人学級生は、意欲的に活動し、自主的に研修を重ねた。

自主的研修は月一回の学習会を基盤としてでき上ったものであり、「放送利用学習の生活化」もこのような点にもはっきりと見ることができる。

 

(一) 研修会内容

1)公開手習

NHK「お母さんの勉強室」

テーマ「お父さんの出番です」

父親の家庭生活への実質参加をより多くもって、家庭教育の充実をはかることを目的とする内容で展開された。

学級生の公開学習の時間の中で、公開学習参観者の意見を聞く、全くのオープン参加の方法で、学習者と会場が一つになった学習会の展開に発展し、参観者も「参加した」感を強くした研修会であった。

2)放送利用による事例発表

ア 「お母さんの勉強室」の利用

放送婦人学級生

イ 「きょうの健康」番組利用

健康生活学級生

(二)講演 「社会教育における放送利用とは何か」

講師 宮城教育大学教授 雪江久美先生

 

五、おわりに

 

放送利用による学習は、ともするとその場かぎりの学習(一過性)に終始しがちな学習法だけに、学習記録、学級日誌、一年間のまとめ(文集)など確実な記録の定着化をはかる必要がある。

紙面の都合で充分意を尽しきれない部分も多くあったが、放送利用の学習効果がはっきりと行動意識の中にあらわれてきている状況にある。

今後もよりよい学習活動を目指して、本事業の定着、発展をはかりたい。

(社会教育主事・池田 満吉)

 

 

原田放送学級の各記録簿

原田放送学級の各記録簿

 

テレビによる視聴学習風景

テレビによる視聴学習風景

 

 

 

 


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