教育福島0101号(1985年(S60)06月)-007page

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提言

 

いわき市(入間沢)の化石発掘現場で説明する筆者

いわき市(入間沢)の化石発掘現場で説明する筆者

(右から4人目、手に書類をもつ人)

 

、仮りに四十六億年を一年間二百六十五日に縮めて考えたとすると、最後の人類出現の三百万年の時間ですら十二月三十一日の夕方頃になるので、いかに短かい時間であるかが分る。このような空間と長い年の流れの中でたまたま誕生したかも知れない「緑の惑星」上でいま色々な問題が起きているのであるこのかけがえの出来ぬ地球上で核軍備や局地戦争をやっていることなど、まさに愚行と云うべきものであろう。また、地球的規模で緑が失われつゝある事実も見逃すことが出来ない現象である。いまこの緑の惑星上ではどんどん森林の伐採が行われ,土地の荒廃が急速に進み毎年九州一円以上の面積の「砂漠化」が進んでいるという。発展途上国の人口増大による伐採、その地域に定着する人々の燃料確保のための伐採、又は家畜による原因も考えられよう。しかしそのような地域では、代替エネルギーがきわめて少ないか、或は全くない現実と比べわたしたちは毎日、石油、ガス、電気を豊かに消費している。考えてみれば、宇宙空間に漂うこの地球上には石油・ガス・石炭などの燃料やその他の鉱産資源はいくらでもあると云うものではなく、石油などはあと数十年以内で枯渇するだろうと云われている。いまこそグローバルな視野に立って国際協力体制を確立する必要があると思う。

最後に、この長い時の流れの中で、人生八十年! これはほんの一瞬の時間である。戦争、人種差別、経済や開発優先などの問題よりも、いま限られた人生の四十六億人を乗せた「地球号」を緑と水によって平和なそして豊かな大地にし、次の世代に引き継ぐことこそ、もっとも大切なことではないかと考えている。

 

 

 


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