教育福島0101号(1985年(S60)06月)-008page
特集《その一》
積極的な生徒指導をめざして
小・中学校教育
はじめに
今日、児童生徒の問題行動の増加が大きな社会問題となっている。
現在は、昭和二十六年の第一のピーク、昭和四十年の第二のピークに次いで第三のピーク期にある。しかし、それぞれの問題行動の背景や内容は決して同様のものではなく、その折々の世相を反映し大きく異なっている。
現在問題となっている非行を全国的に見ると、校内暴力や暴走族に見られる集団化・粗暴化の傾向とともに、万引、乗物盗、シンナー吸飲、不純異性交遊等の初発型非行の増加の傾向、全般的に見られる低年齢化の傾向などが主な特徴となっている。
この傾向は本県の場合も例外ではなく、昭和五十九年に県内で補導された少年は、二万三千九百七人で依然増加の傾向にある。(資料1)
このうち、刊法犯少年の四千六百八十一人を学識別に見ると、小学生、中学生、高校生の合計は三千八百八人で全刊法犯少年の八十一・四。パーセントを占め、中でも中学生の割合が四十三・三パーセントと高い。(資料2)
年齢別に見ても十四歳、十五歳が多く、まさに低年齢化、中学生が非行の中心をなしている。(資料3)
(注)
〇犯罪少年…罪を犯した十四歳以上二十歳未満の少年
○触法少年…十四歳未満で刑罪法令に触れる行為をした少年
○ぐ犯少年…将来罪を犯す恐れのある二十歳未満の少年
刑法犯少年の内訳を見ると、万引き、乗り物盗など、動機や手段が単純な初
資料1 昭和59年の少年非行
福島県警調べ(以下資料5まで】 (注)▲は減少
資料2 刑法犯少年の学識別構成