教育福島0101号(1985年(S60)06月)-017page
なお、これらの外に、校務分掌の中で生徒の日常生活面の指導に当たっている「生徒指導委員会」や「各学年教師会」さらには、週二回位置づけられている「職員打合せ」の時間なども活用して実践研究が進められた。
六、各部研究・実践の概要
(一) 生徒指導部会
1)研究の視点
○ 本校の生徒の実態から考慮して、どのような生活態度を身につけさせたらよいかを明確にする。
○ 基本的な生活態度を身につけていない生徒についてその原因を明らかにする。
○ 基本的な生活態度を身につけさせるためには、どのような手だてが望ましいかを明確にする。
2)実践の方針
○ 生徒の自主的な取り組みを中心に実践を積み重ねる。
○ 教師は指導的立場を堅持しつつ、生徒とともに取り組む。
○ 実践の過程において、教師、生徒が一体となって取り組みについて点検、改善を行う。
○ 課題の追求に当たり、家庭の協力も得るように努力する。
○ 基本的な生活態度を育てるだめに、実践項目の重点化を図り、他への波及効果が出るように努める。
3)実践の概要
ア)「明るいあいさつをする」、「時間を守る」、「清掃をしっかりする」、「身なりをととのえる」の四つを重点的な実践項目と定め、部会内にそれぞれのプロジェクトチームを組織し実践に取り組んだ。
(イ) 生徒理解、生活への適応指導、余暇指導など日常生活の多くの場面での指導には、「生徒指導委員会」や「教育相談係」などが互いに連携を保ちながら実践に当たった。
(ウ)生徒会が中心となって実践を進めた「生活向上運動」や「愛校奉仕作業」、また、生徒の自治能力を育てることを意図した「集会活動」などにも力を注ぎ、全校的な協力のもとで効果を上げることができた。
○「生活向上運動」
生徒会では年間活動計画にもとづいた活動以外に、外部からの要請を受けて、「助け合い募金活動」や「ボランティア活動」を随時行ってきた。さらに、もっと自分たちの身近な問題に目を向けて、足元からの問題解決に取り組む姿勢が必要であるとの発想から、 「生徒会という集団」として団結運動を呼びかけた結果、生徒の手でできるところがら行動してみようという気運が盛り上った。
現在までに、「登下校時における買い食い」の問題、「通学路のゴミの散乱」の問題、さらには、「明るいあいさつ」を推進する運動などに取り組み成果を上げつつある。
○「愛校奉仕作業」
本校では校舎内外の教育的な環境を整え、それを維持していくための基本的な考えの中に、可能な限り生徒の活動を取り入れ、手づくりのものをつくり出すという姿勢を育てあげようとの観点から、生徒に勤労体験の場を提供し、教師と生徒のふれあいを深めようとする努力が続けられた。現在までに、「梅林づくり」、「校舎中庭の造園」、「手づくりの卒業記念」、「三中机・腰掛等修理所」などの取り組みをとおして実績を上げている。
○「集会活動」
従来の全校集会が、学校からの一方的な話、各種の表彰伝達、諸注意などで終わることが多く、生にとっては多分に受け身の集会であった。そこで、集会を生徒自身の手で企画、運営させ、生徒たちの自治能力を高めるとともに、印象に強く残るような集会活動にしょうとの観点から、各クラスより選出された集会委員を中心に、集会の企画、運営に当たらせた。資料2は、二学期における全校集会計画の一部であるが、このような実践をとおして、だんだんと生徒がより積極的に参加した集会へと変わりつつある。
資料2 集会実施計画(第二学期)