教育福島0101号(1985年(S60)06月)-035page
ては、それぞれの地区の実情に即して創意ある計画のもとに種々の活動がおこなわれてきたが、その中から、主なものをあげると次のとおりである。
●地区青少年健全育成推進会の組織づくり。
●講演会や映画会などの開催
・親と子の懇談会の開催
●青少年健全育成に関する宣言の決定
●チラシ・ステッカー・看板などの作成
●会報の定期刊行と全戸配布
●オアシス運動や愛のひと声運動の展開
●街頭補導の実施
●スポーツ大会の開催
●悪書追放・良書推せん運動の展開
二、推進の成果と今後の課題
(一)成果
●組織の検討がなされ、全市的組織に成長し、地域活動の基盤が整備された。
●推進会議の開催により、他地区の状況を知ることができ、自地区の今後 の活動のヒントを得た。
●指導者研修会を通して、青少年健全育成に対する意識の高揚が図られた。
●従来、事業実施のための財源は、市からの補助金のみに依存していたが、自主活動としての意識が高まり、自主財源も加えての運営がなされるようになった。
(二)今後の課題
●本年は、組織の確立が先決であったが、それもほぼ達成した。今後は、効果的な活動をどのように組み各地区で実践するかが最大の課題である。
●そのためにも、市民の意識の高揚をはかり、理解と協力を得なければ本事業の目標達成は不可能である。いかにしてその理解と協力を得るかが課題である。
●青少年の健全育成をめざす組織や団体は非常に多い。本事業の目標達成のためには、これら既存の組織や団体と連携してあたることが望ましい、いかに連携を深めるか、今後の課題の一つである。
さいごに
本事業は具体的実践がスタートしたばかりで、前記のような課題がある。
福島市青少年健全育成推進会議は、これらの課題を解決し、明日の福島を担う健全な青少年の育成のために全力を投入する気慨で二年次をむかえたところである。
家庭や地域との連携をはかりながら生徒を学校生活に適応させ、学習意欲を高めるにはどのような指導をしたらよいか。
−喜多方女子高等学校
はじめに
喜多方女子高校が所在する喜多方市は会津盆地の北部に位置し、会津地方第二の都市で、人口三万七千人を擁する。農商相半ばし、地域の人々の教育への関心は高い。
学校は昭和三年に県立喜多方高等女学校として、地元の強い要望によって設立された。現在は生徒数約七百名(普通科)を有し地域の女子教育の中心校としての役割を担っている。
部活動の面では伝統的に体育系の活躍が目立ち、例年全国インタ−ハイや国体に駒を進めている。また進路は、就職・進学の希望者が大体二対一の割合であるが、知・徳・体の調和ある人間づくりを目指し、全職員一丸となって努力している。
一、研究主題の設定
近年の急激な社会構造の変化は、当地方では過疎化現象をもたらし、高校教育に多くのひずみを呈している。
喜多方女子高校もその例外ではなく入学志願者は年々減少の傾向にあり、学習意欲に乏しく、目的意識の希薄な生徒が多数入学してくるのが現状である。このことが生徒の生活、行動面にも反映し、その指導に苦慮しているところである。
このような状況の中で生徒一人一人の社会的資質や行動を高め、学校生活に適応させるには、家庭や地域との連携をはかり総合的な指導を展開する必要があるという認識から、研究主題を「家庭や地域との連携をはかりながら生徒を学校生活に適応させ、学習意欲を高めるにはどのような指導をしたらよいか」とした。
▲野外活動で生活習慣の確立(喜多方女子高校)