教育福島0101号(1985年(S60)06月)-042page

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教育センタ−から

 

学校の教育目標と教育課程に関する研究

−紹介−

 

一、はじめに

 

学校経営は、学校の教育目標の達成を目指してたてられた計画が、学校の組織を通して実施に移され、その評価反省の結果が次の新しい計画に生かされていくという、いわゆる循環過程をとって推進されていく営みであるということができる。

ところで、このように学校経営のかなめであるはずの教育目標が、真に教育課程の中に生かされているかどうかということになると問題がある。

つまり、学校の教育目標は、その学校が全教育活動をあげて達成すべき目標であり、教育課程は、当然この教育目標の達成を目指して編成されなければならないわけである。

しかし現実には、自分の学校の教育目標と教育課程のかかわりが不明確であったり、教育目標が形式化したり、あるいは空文化したりしていることがあるのではないか、ということが問題となるわけである。

本研究は、この問題点を調査によって具体的にとらえ、それを解明するために、教育目標を教育課程及び諸教育活動に具体化するための事例を作成し教育目標達成を目指す望ましい学校経営への一助に資することをねらいとしている。

 

二、研究の構想

 

(1)第一年次(昭和五十九年度)

1)研究の基盤となる理論研究

2)教育目標に関する実態調査

3)研究協力校(小学校)からの教育目標具体化事例の収集

4)研究紀要の発刊

(2)第二年次(昭和六十年度)

1)学校の教育目標の理論研究

2)小学校の具体化事例の一般化

3)中学校の具体化事例の収集

(3)第三年次(昭和六十一年度)

1)学校の教育目標の理論研究

2)中学校の具体化事例の一般化

3)研究紀要の発刊

 

三、第一年次の研究結果

 

(1)研究の視点

本研究を進めるに当たり、教育目標達成にかかわる諸要件を、つぎのようにとらえ、これを研究の視点として調査研究を行った。

1)教師の主体性

一人一人の教師が、教育目標の必要性とか重要性の認識に立ち、自発的に教育目標の検討や設定に参画すれば、教育目標と教師の主体性に立っ目標として設定することができ、そのことから、教育目標を全ての教育活動を通して達成しようとする教師の意識が育つ。

2)教育目標の地域性

教育目標を、学校として独自性のある生き生きとした目標にするためには、児童生徒の真の姿をとらえたり、児童生徒をとり巻く、学校・家庭・地域の環境の実態を統合的にとらえ、その中で学校の置かれている現実の課題を的確に把握する。

3)教育目標の構造性

教育目標を教育活動の指標として生かすには、各教科・道徳・特別活動のそれぞれの領域において、教育目標との関連を十分に図り、教育目標具現のための明確な実践方向を打ち出さなければならない。

そのためには、それぞれの領域の内容及び、学年・学級の目標、日常の授業に、教育目標をどう具体化させるかを考え、学校の教育活動全体を構造的に把握して教育目標の具現化を図る。

4)教育目標の循環性

学校の教育目標が、学校経営のサイクルの中で円滑に機能するためには、教育目標の設定から達成までの過程で計画−実施−評価1計画の循環性が図られていることが必要である。

そのために、教育目標の具現の実態を的確に把握する方策を改善するとかその評価反省の結果を次の計画にどう生かすかの検討が必要である。

(2) アンケート調査の実施

1)調査のねらい

前述の四つの研究の視点に基づき、県内の小・中・高校における教育目標に対する教師の意識とか、教育目

 

 

 


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