教育福島0102号(1985年(S60)07月)-012page

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2、教育内容・方法の改善充実

 

(1) 教育目標の改善

盲・聾・養護学校の教育課程の基準の改善の趣旨を踏まえ、児童生徒の障害の種類や程度と地域の実態に対応して、学校における適切な教育目標、努力事項の設定に努めている。

しかし、養護学校教育の義務制施行等によって、就学義務の猶予者及び免除者が減少し、重度の障害や重複した障害をもつ者の就学が増加してきており、これに対する対応は必ずしも十分であるとは言えない。

今後は、教育目標を見直し、児童生徒の重度・重複化に即応し、個別の指導と集団の指導との適切な融合を指向する目標の設定に努める必要がある。

(2) 教育課程の充実

昭和五十五年度から学習指導要領の改訂が実施され、各学校では、学習指導要領に示された趣旨に沿って障害の実態に応じた適切な教育課程の編成に努めている。

一方、盲・聾・養護学校及び特殊学級設置校の教頭及び教務主任を対象として養護教育教育課程編成管理講習会を実施し、更に特殊学級担任を対象とした特殊教育教育課程県研究集会を開催している(表12)。

今後も、児童生徒の一人一人の障害の種類・程度に対応した教育課程の編成に努めるとともに、その適切な管理運営が望まれる。

(3) 学習指導の改善充実

児童生徒に対し、一人一人の障害の種類・程度、能力・適性等に応じた適切な指導の充実に努めているが、在籍児童生徒の重度・重複化が進む中で、新たな問題も生じている。

障害の種別で見ると、視覚障害教育においては、これまで、あんま・マッサージ等の職業において卒業者の多くが社会的に自立していたが、この分野に健常者が進出したことや、医療機関のマッサージ分野も狭くなり、新しい進路の開拓とその進路に対応する資質の向上を図るための指導の充実が求められている。

聴覚障害教育においては、聾学校の児童生徒の減少による少人数化に対応して、集団指導のあり方を工夫し、医療機関との指導上の連携を図ることが求められている。

精神薄弱教育においては、病理・心理的な解明が進むに伴って、指導の改善が図られているが、障害の多様化が進む中で、身辺処理能力や社会適応力の向上のための指導を一層充実することが求められている。

肢体不自由教育においては、肢体不自由施設等に併設の養護学校で教育が進められているため、施設等との一貫した指導計画、とりわけ、療育と教育の接点にある養護・訓練の指導について治療訓練との連携を図ることが求められている。

病弱・虚弱教育においては、治療期間や生活規制に個人差があり、治療方針による時間的制約や、学習活動の制約を十分考慮した個別及び集団指導の改善充実、更には短期間での治療で転学する場合における転学先学校との指導の連携を図ることが求められている。

重度・重複障害教育においては、今後の研究成果をとり入れ、指導内容・方法の研究開発に努めるとともに、担当教員の研修や指導力の向上が期待されている。

情緒障害教育においては、原因、治療、指導法などについての研究の成果を取り入れ、実践に有効に生かすとともに、相談機関、医療機関や家庭等との密接な連携を図ることが求められて

 

在宅児に対する家庭訪問教育(大笹生養護学校)

在宅児に対する家庭訪問教育(大笹生養護学校)

 

表12 養護教育教育課程編成に関する講習会等の参加人数

(単位:人)

注:「教育年報」(昭54〜昭59)による。

注:「教育年報」(昭54〜昭59)による。

 

表13 養護教育交流推進事業実施状況

(単位:校,人)

注:「養護教育課調査」(昭54〜昭58)による。

注:「養護教育課調査」(昭54〜昭58)による。

 

 

 


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