教育福島0102号(1985年(S60)07月)-015page
間層は十六・三パーセントと少なく、均衡のとれた状況にいたっていない。
6、施設・設備の整備充実
(1)施設の充実
盲・聾学校校舎は鉄筋が七十七パーセント、鉄骨が九パーセント、養護学校校舎は鉄筋が八十六パーセント、鉄骨十パーセントで、屋内運動場、寄宿舎についても耐火構造率は高く、必要面積も満たしているといえる。
(2)設備の充実
設備については、逐年その充実が図られてきているが、更に、障害の種類や程度に応じた教材・教具の整備充実が必要である。
(3) 養護教育センターの組織の充実
養護教育センター(仮称)については、心身障害児に対する教育相談、就学指導並びに教職員の研修、教育内容・方法の研究と開発を進める施設として、医療を中心とする心身障害児総合療育センター(仮称)と機能連携し昭和六十一年四月に開所の運びとなっている。
なお、開設準備のため、本年十二月に、養護教育センター開設準備室(仮称)を設置し、開所準備に万全を期するよう進める予定である。
二、今後の養護教育のあり方
本県の養護教育を、更に充実発展させていくためには、次のような教育行政上や学校教育上の諸問題について、計画的・継続的に検討・改善を加え、盲・聾・養護教育に携わる全ての関係者が一体となって推進していく必要がある。
1、教育行政上の問題
(1) 適正就学推進のための就学指導体制の充実
障害児の教育に当たっては、まず、障害の種類や程度に応じて、適正に就学をすることが、最も大切な前提条件となる。したがって、就学指導の直接の任を負う市町村教育委員会では、就学指導審議会の委員を構成する場合、より専門的な適任者を選任し、更に審議会の運営については、形式に陥ることなく会議の充実を図るなど、審議機能全体を強化する必要がある。また、適正就学をより一層進めるために、小・中学校にも校内就学指導委員会の設置を働き掛けてきたが、昭和五十九年度の時点で、小学校八十一・九パーセントト、中学校八士下五パーセントの設置率を、今後更に高めていく必要がある。
なお、県教育委員会としては、従前から各教育事務所管内ごとに実施してきた心身障害児就学指導講習会並びに県中地区で開催している心身障害児就学指導会議の一層の充実を図り、就学指導に携わる人達の認識を更に高めるとともに、事務手続き上の知識や検査技術等についても、向上するように努めていきたい。
(2) 早期発見・治療・教育のための医療・教育体制の整備
障害児の機能の回復や能力の開発については、できるだけ早い時期に障害を発見し、その種類や程度に応じた、医学的・教育的な対応が大切である。そのためには、昭和六十一年四月に開所予定の養護教育センターの機能の充実を図り、同所に新設される心身障害児総合療育センターと密接な連携のもと、障害児の教育相談活動をより一層拡充するとともに、教育・医療・福祉が一体となった、乳・幼児期からの障害児教育体制を確立することが必要である。
なお、広大な県域をかかえている本県の地理的な条件から、従前より実施してきた心身障害児巡回就学相談事業や養護教育相談事業等については、開催地域や回数・日数・方法等の内容面について更に検討のうえ、今後一層の充実を図るよう努力していきたい。
さあ、教室へもどろうネと介助員(郡山養護学校)
(3) 教育機会拡充のための高等部設置と特殊学級・訪問教育の充実
昭和五十四年度の養護学校義務制施行以降、精神薄弱児を中心に、障害児の就学率は著しく向上し、就学義務猶予、免除者の数は極端に減少した。ただ、義務教育終了後の教育機関については、昭和五十九年一月に出された、県後期中等教育審議会の答申をふまえ精神薄弱養護学校高等部の設置を検討していく必要がある。また、肢体不自由養護学校高等部の増設についても、併せて検討を進めていく必要がある。
なお、特殊学級の適正配置については、対象児童・生徒の実情や、地域の.実態を適確に把握して、養護教育本来の目的にかなった特殊学級となるよう編制や運営に努めていく必要がある。
更に、養護教育の対象児童・生徒が重度化・重複化している実情から、養護教育のなかに占める訪問教育の重要性は、今後ますます高まっていくものと思われる。そうしたなかで、訪問教育の形態や内容・方法について、より専門的な観点からの改善が必要である。
そのほか、教育機会拡充の意味合いから、須賀川養護学校福島医大分室を分校として整備充実する問題や、通学