教育福島0102号(1985年(S60)07月)-038page
教育センターから
昭和59年度の教育相談事業を顧みて
表1 昭和59年度教育相談対象別実人数、延人数一覧
一、教育相談の実施状況
(1) 来所相談について(表1)
1)概観
昨年度の来所相談人数は、移動教育相談を含め、相談実人数は五百六人、延人数は一千七百六十九人であった。
前年度と比較して、実人数で小学生、高校生の減少にもかかわらず、一般、教員が増え、四十二人の増、延人数で五十七人の増加となった。
2)昨年度の特徴
昨年度も相談件数の半数近くが不登校についての相談であった。
対象別にみると、小、中、高校生に比べ一般からの不登校についての来所相談が増加している。なかでも、親が積極的に相談に来所する件数が多くなっている。幼児、小学生では、発達遅滞に関する適応問題や、集団行動に従わないための学校でのトラブルなど、複合した相談がみられる。中、高校では、不登校に類似した行動や、いじめに関したこと、進路に関したことなど種々のことがらが重複している事例が大半である。
主訴別にみると、反社会的行動では、暴力的問題、盗み、家出、不良交友、物質常用(喫煙、シンナー吸引など)の順である。
幼児、小学生の低学年では、発達障害に関する、かん黙、多動傾向、自閉症的傾向、言語発達問題などの相談がみられる。
多動傾向、自閉症的傾向、知能発達遅滞、集団不適応などは治療期間が長くなるケースもあるが、遊戯療法や運動療法を中心に指導援助を行っている。さらに、幼稚園、小学校の担任と連絡し、適応行動への援助をはかっている。特に、担任のこまかい配慮や、適切な指導により改善の進歩が著しい事例もみられた。ケースによっては、医師や保健婦などとの連携もはかっている。
身体・神経に関する相談では、不登校や集団不適応に随伴または、重複する形での種々の症状や、ヒステリー、思春期やせ症、夜尿、食行動異常、円形脱毛、心因反応的などの相談がみら