教育福島0102号(1985年(S60)07月)-041page

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には「見知らぬ土地でノイローゼ気味になり、東京方面の空を眺めては涙を流しておりましたが、この教室に参加したおかげで、毎日明るく暮らしています」という人もいる。(別表参照)

本教室内での、人と人との結びつきは早いもので、数人の教室生がグループ化し、乳幼児を持つ母親を対象に開設している「明日の親・めぐみ学級」の講義の間、受講生の乳幼児の一時保育≠自主的に買って出るなど、ボランティア活動をすすめ、明るい地域づくりに大きく貢献している。その後、このグループは名称を「ボランティア軍団」と名づけ、白河市ボランティア連絡協議会に加盟している。

 

(別表)昭和60年度

白河コミュニティ教室学習プログラム

●対象者  白河市在住5年以内の男女

●ねらい  白河や福島のよさを紹介し、明るい家庭づくり・友達づくりを進める。

 

 

福島の自然に親しむ・尾瀬にて

福島の自然に親しむ・尾瀬にて

 

五、教室の今後の課題

 

今後の課題としては

1)教室受講生の年齢層が、二十代から七十代と幅が広いため、学習主題に対するニードを考慮したカリキュラムが大切と考える。

2)募集定員四十名については、郷土理解に関する学習プロが多く、したがって、野外学習のための交通機関として福祉バスを利用させていただいており、バス定員となつている。

なお、募集制限をしなければ、七十名前後となると予測している。

3)教室での学習内容をどのようにして地域づくりの中に還元し、波及効果をたかめていくか、また、地元住民との結びつきのすすめ方。となっている。

 

六、おわりに

 

コミュニティとは、「生活環境を同じくし、それをよりどころにしながら生活向上を願う地域の人びとが、共通の課題について連帯意識をもって、創造的地域づくりをすすめて行くことをいう」といわれている。

白河市は今、東北新幹線の上野駅直行乗り入れによって、約一時間で東京へ行く時代が到来し、いよいよ首都圏に入ったと考える。人口動態は激しく動き、地域開発は力強くすすめられているなかで、このスピードある動きに遅れることなく学習し、「連帯感」と「隣人愛」をその地域の中心に据えて、今こそ人と人との絆をより強く、より太く、よりたくましく結び、よりよき地域づくりをする時と考える。

 

この教室を本年度のみに止めることなく、自主開設を継続し、教室生の意識向上のため、各種団体、グループとも協力体制を固め「住みよい地域づくり」のために、地域性あふれる学習を続けたい。

 

まちからむらからこんにちは

 

 

 


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