教育福島0103号(1985年(S60)08月)-007page

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の側も、“生き生きと働くために”レク活動を真剣に考え導入したのである。また日本人が欧米人に比べ余暇の使い方の貧しさを盛んに指摘されたのもこの時期である。

やがて四十八年のオイルショックを契機に、資源有限、低成長.時代に入り、“物さえあれば人間は幸せになれる”という物質万能の幸福の求めかたを反省し、心の豊かさを求め、心身のバランスのとれた人間生回復のために、レク活動は個々の人々の生活全体の中で考える“レク運動の生活化”の時代を迎えたのである。

レジャー憲章でいう“レジャー及びレクリェーションは基本的な人の権利である”を運動の基盤とし、運動のスローガンも、健康・自然・コミュニケーションとわかりやすくとらえ、心身の健康を求めて自然を愛し、人々のコミュニケーションを図って、生きる喜びを求めることをレクの存在意義として説き、レク運動の領域として、地域・職場・学校・社会福祉へと、全ての人に“生きる喜び”を届ける運動を推進している。そのため県レク協は四十四年に再建され、組織を拡充しつつ、指導者の養成を計画的に行い、更に五年前より県レク大会を開催するまでに至り、本年は郡山市で行う予定で準備を進めている。

かつて刺身のツマ的手段としての役割にしか理解されなかったレクリェーションが、今日では、レク活動をぬきに人間の幸せを考えることができなくなっている。各地で活躍しているレク指導者は、単なるリーダーではなく、ワーカーとして、またその公認資格は価値あるライセンスの一つとして認められつつあり、やがて公的認知へと進んでいくであろう。このようにレクリェーション運動は、人間の生き方、喜びを追求する活動であるだけに、広く、奥行きの深さをもっている。これを更に一人でも多くの方に正しく理解していただくためには、単にボランティア活動家へ組織のみでは限界があり、行政共々のバランスのとれた運動へと発展させたいものである。

私のこの希望は、そのまま提言としたい。

 

福島県コミュニティ・レクワーカー養成セミナーで講演する筆者

福島県コミュニティ・レクワーカー養成セミナーで講演する筆者

 

 

 


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