教育福島0103号(1985年(S60)08月)-015page
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授業後の早い時期に行う。この場合も、正確に、速く、系統的に、精神を集中して行うことが効果につながる。
ペスタロツチーは「直観から思考へ、思考から実践へ」と言っているが、この面から現在の授業をみると抽象的にすぎ直観の欠落、思考から実践への過程の不十分さがみられる。したがって、生活体験や学習体験など実物を通した学習をより多くとり入れ学習の定着を図るようにすることは大切である。
(3) 今後の個に応じた学習指導の視点
1) 教師主導型の授業から児童生徒の活動を主体とする授業へ(教える指導過程から学ぶ学習過程へ)
2) 個別化(基礎・基本の習得のためにも個別化が重要)
3) 集団の中の個別化(児童生徒は集団の中で他の影響をうけ育っていく。個と集団との調和が重要となる。)
(4) 今後の課題
1) 集団と個との相乗的効果をもたらす授業の創造
2) 個に応ずる指導法の多様化
3) 遅れがちな児童生徒の指導
3.評価を生かす指導
評価を授業改善に生かす研究は年々盛んになってきているが、児童生徒個々に生かす評価については、更に研究を深める必要がある。日々の評価活動では、次の事項の点検が重要である。
ア 授業途中での評価では、学習のつまずきや未習得事項にどこまで指導の手だてを講じているか。
イ 自己評価は、自己の理解度やつまずきを知り、主体的に学習するためのものになっているか。
ウ 相互評価は、長短両面から見る訓練がなされ、納得したものは受け入れる態勢をつくっているか。
エ 総括的評価の結果、未到達の児童生徒の追指導を実施しているか。
オ 目標に合致した観点別評価がなされているか。安易に市販テストが使用されていないか。
カ 情意面の評価資料を集め、児童生徒に生かす手だてを講じているか。
キ ノート、感想文、チェックリスト等による評価を児童生徒の学習に生かしているか。
四 道徳教育の充実
今日、児童生徒の問題行動が大きな社会問題になっていることから、児童生徒の日常生活や行動と深いかかわりあいをもつ道徳教育が重要視されている。各学校の道徳教育においては、児童生徒の発達段階や特性、学校や地域の実態に応じ、学校の教育活動全体を通じて行うことを基本とし、道徳の時間はもちろん、名教科及び特別活動においても、それぞれの特質に応ずる適切な指導を進めることが大切である。
そのためには、次の点に配慮して一層の充実を図る必要がある。
1 道徳教育実践上の課題
ア 学校における道徳教育が自校の教育目標の具現をめざし、学校の教育活動全体を通じて行われるために、各学校では、全教師が児童生徒の実態、学校や地域の実態を的確にとらえて道徳教育上の問題点を明らかにし、その改善、充実に努める。
イ 各学校における道徳教育の全体計画を学校の教育目標の具現の観点に立ち、学校の全教師によって見直され、学校経営の中に明確に位置づけられるように努めるρ
ウ 各学校において、道徳教育を進めるに当たっては、教師と児童生徒、児童生徒相互の人間関係を深めるとともに、家庭や地域社会との連携を図りながら、日常生活の基本的行動様式をはじめとする道徳的実践の指導の充実に努める。
エ 道徳の時間の年間指導計画が学校の全教師の共通理解と協力のもとに作成され、学校の道徳教育や各学年の指導の重点がそれぞれ明確になるようにする。
オ 道徳の時間においては、児童生徒の発達段階に即し、各教科及び特別活動における道徳教育と密接な関連を保ちながら、計画的、発展的な指導ができるように指導内容を検討し、特に必要とされる内容については重点的に取り上げるようにする。
カ 道徳の時間の指導の充実を図るため、毎時においてねらいとする道徳的価値を明確にし、児童生徒がその道徳的価値について内面的な自覚を深めることができるよう指導過程を構成し、望ましい道徳性を身につけていくことができるように努める。
2 道徳的実践の指導
道徳教育が学校の教育活動全体を通じて行われることを基本とし、これを補充、深化、統合するために道徳の時間の指導が行われる。
それはつまりは道徳的実践の指導と道徳的実践力の指導を示すものなのである。人間の行為はだれでも一定の動機に基づいて行われるが、その行為を撰択し、決定する自己の内面的資質がより望ましい道徳的価値によっている場合は、望ましい行為となって表れ、それはより高い道徳的実践であるということができる。
道徳的実践とは、児童生徒の直接的な道徳的な行為を伴った日常生活の基本的行動様式をはじめとする日々の言動そのものであるといえる。この日々の言動が望ましい道徳性を身につけたものになることをめざして行うのが、道徳的実践の指導である。
この場合、児童生徒の発達段階や特
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