教育福島0103号(1985年(S60)08月)-045page

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2) 授業研究の実際

実際の学習活動の中では、一題材で基本的な造形要素を把握させることはむずかしいので、1)で述べたように、題材相互の関連を図り、総合的に訓練しなければならな.い。

ここで、絵画と彫塑学習の実践例をあげる。

まず、絵画と彫塑の各領域で、それぞれ訓練させたい造形要素をあげてくると、その造形要素は二つの領域に関連していることがわかる。それをまとめたのが資料3である。

授業では、絵画学習の「形の把握」は、スケッチの段階でバランス・ムーブマン(動き)を中心に訓練した。そして、彫塑の学習においては、ボリューム(量感)・肉づき(立体としての凹凸)の把握に力を入れた。そのようにして関連させ、総合的に訓練することで、「形の把握」ができるようにした。その訓練、イメージの形象化につながると考えられるからである。

 

四、研究のまとめと今後の課題

 

(1) 研究実践の反省

1) 題材における指導内容を明確にしたことによって、生徒がこの時間は何を学習すればよいのかということが理解でき、表現活動の方向をつかむことができた。

また、何をどう学習するのか、何をどう表現するのか、わからないまま進んでしまう授業から脱却することができて、生徒の活動も活発になった。

2) 表現上の問題点を解決する手だてとして、基本的な技能を身につけさせることをねらいとして実践してきたが、題材相互に関連させて訓練したことは、生徒のイメージを形象化させる段階において効果があった。

3) 生徒の提出したり、描けばよい

という気持ちも一歩進み、作品の表

現には、意欲的なものが感じとれる

ようになった。

(2) 今後の課題

1) 生徒の意欲を向上させるためには、表現活動だけでなく、鑑賞の面でも実践していく必要がある、

2) 生徒の意識調査を実施し、生徒の内面を深くほりさげ、心の表現ができるようにしたい。

3) さらに意欲を向上させるためには、情意面の評価の研究もすすめていきたい。

 

資料2 題材と関連する造形要素

資料3 題材相互に関連する造形要素

 

資料3 題材相互に関連する造形要素

研究実践レポート

 

研究実践レポート

 

 

 


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