教育福島0103号(1985年(S60)08月)-048page
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図書館のあり方をめぐって
−北日本図書館大会から−
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図書館コーナー
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身近な生活圏における地域図書館の今後のあり方について考える第三十六回北日本図書館大会並びに第三十三回福島県図書館大会が、六月六日〜七日の両日、県立図書館で開催された。
この大会には、北海道・東北各県の図書館関係者二百二十人が参加、「これからの地域図書館のあり方を考える」をテーマに意見の交換が行われた。
以下、大会内容の概要について報告します。
一、講演
ことしは、図書館法が施行されて、二十五周年を迎え、これまでの歴史を振り返るとともに、「これからの地域図書館の方向」と題し、東京学芸大教授小林文人氏が講演。この中で、「地域図書館は文化の泉であり、優れた地域図書館に発展するのは、地域・学校・教師が連携し、情熱と専門的力を持ったいわゆる人づくりを進めることが最も大切である」等の提言がなされた。
二、提言発表
続いて、各県代表による、特色ある図書館づくり等についての提言発表が行われた。
発表者と発表の概要は次の通りです。
(1) 「わが村の図書館づくり」
福島県岩瀬村教育長 二瓶 芳男
図書館は文化の都市集中化に対抗するものとして町村にこそ必要なものである。今後の運営にあたっては、児童を優先に、農業の村としてのユニーク性を持たせる。また、移動図書館の構想も考えていく。
(2)「青年に魅力ある図書館」
仙台市図書館利用者 横田 重俊
青年層に対しては、そのライフスタイルに留意し、それに合うようないろいろなことを考えていくべきだ。青年に魅力ある図書館を作るアイディアは数多くあると思う。
(3) 「身近な暮しの中の図書館」
山形市読書グループ代表 井上恵仁子
利用者の立場から図書館がより住民に身近なものになっていくために、1)開館時間の延長 2)地区公民館図書室にも子どもたちに読書指導のできる職員の配置3)ボランティアの養成 4)子どもに手づくり絵本を作る指導も行ってほしい。
(4) 「岩手県内地域図書館(公民館図書室)活動の現状と課題」
岩手県立図書館 高橋 正信
今後の図書館の充実発展対策として1)職員の充実 2)資料の収集では市町村共同による広域的な目録作成 3)利用者の固定化対策 4)補助制度(職員配置基準の緩和)の再検討や行政に対する住民からの働きかけも必要である。
三、全体討議
二日目の全体討議では、地域図書館における啓蒙活動、相互協力のあり方、ボランティア活動への対応、学校との協力、青年層に対する図書館の姿勢等について実例を交えて意見の交換がなされた。そして、最後に小林教授が、1)新しい文化への要求は動いている。激しく動く時勢の中で基本的に大切なことを見失ってはいけない。2)行政改革のさ中、冬の時代ではあるが図書館としてはむしろ積極的な活動をする姿勢をとるべきであるとし、「図書館を通してルネッサンスを」「小さな村に大きな図書館を」等、今後の図書館のあり方についてまとめられた。
四、功労者表彰
北日本図書館連盟並びに福島県図書館協会では、それぞれ図書館事業に功労があった方々と永年勤続者を表彰した。本県の受賞者は次のとおり。
○北日本図書館連盟表彰
よみきかせグループ「おはなしのへや」(会津若松市)金森好子((財)郡山精神病院クローバー子供図書館)田中喜美子(喜多方市立)赤座信通、八巻大(県立図書館)
○福島県公共図書館協会表彰
作山和子(原町市)、井戸川保子、小林勝男(いわき市)、佐藤要助(霊山町)、郡司悦子(矢吹町)、高橋光秋(北塩原村)、高橋弘(県立図書館)
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