教育福島0104号(1985年(S60)09月)-017page

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○進路情報の収集、分類・活用の研究

○進路情報室の管理運営

(5) 保護者研修部会計画的に学習会を開き、保護者の意識の高揚をめざし、連携を図って進路指導の研究を行う。

○保護者の啓蒙と進路指導について理解

○豊富な進路情報による意識の高揚

○保護者、生徒、教師による三者相談の充実

○保護者研修講座の開催

(6) 調査検査研究部会

生徒理解、自己理解に必要な諸調査の実施と分析・活用の研究

○生徒の進路意識・態度変容調査

○自己分析カードの記入の研究

 

三 研究の組織(図1)

 

 

四 各研究部の実践

 

1 指導計画部会

進路指導を展開する場合、まず、進路指導を学校教育の中にどのように位置づけて実施するのかという全体計画と、各領域においてどのように進路指導を展開するのかという個別計画が適切に立案されなければならない。そこで本校では、進路指導が三年生にかたよっていたり、指導の場が、学級指導のみにならないように、三ヶ年を見通した一貫性のある系統的な指導ができるように、また学校教育の全領域で行われるようにするために、指導計画の改善、整備に努めている。

進路指導全体構造図(省略)により、全体計画と個別計画を作成した。これらの計画の概要は次のとおりである。

(1) 基本的事項について

進路指導の基本的事項として、次の五項目を考え、それぞれについて具体的な実践化への構えや方法を示した。

〇教育目標との関連

○進路指導の目標

○進路指導の学年目標

○進路指導の方針

○進路指導の努力点

(2) 全体計画表について

「生徒への指導」「教師の活動」のそれぞれについて月別、学年別に具体的な計画を表したものである。各教師は、この全体計画表と個別計画案を併用しながら、より効果的な指導を推し進められるよう努めてきた。

(3) 個別計画について

全体計画表にあげられている計画について、指導の時期や指導項目、方法留意点などを示したものである。

 

2 進路学習部会

進路指導を集約的に行う場は学級指導である。学級指導の〔進路の適切な選択に関すること〕の授業の充実に努め、情報や調査を活用することにより自己理解を深めさせ、自己実現に努力させて進路意識を高める指導に努めている。

進路指導の重要性は、重々承知されていながらも、ともすれば、計画的、組織的とは言えない指導がなされがちであったので、題目を四十四に分け、一年十三時間、二年十七時間、三年十四時間、合計四十四時間を確立し、それらの授業内容の充実に努めることにした。

実際の授業では、次のことを基本にして修正改善している。

(1) 指導過程の組み立て

事前指導−本時の指導−事後指導の流れとしてとらえた。本校では、事前指導を、生徒への課題意識を持たせる場と考え、作文、意見をまとめさせたり、調査、研究をさせたり、更に収集した情報を資料に加えたりするなど意図的に活動させている。

事後指導では、生徒の意識化への援助を重視し、授業の終末段階で個にもどした、問題点、課題などに対する解決法の指示を与えてきた。

(2) 小集団学習

生徒の一人一人が個々に思考し問題解決を図り、短時間内で解決策を見いだすことは容易なことではない。

そこで、小集団学習の場を設け、集団場面で、生徒に問題意識をもたせ、共通化を図り、授業の終末には、その問題について、自分のものとしてとらえ、自分自身の解決策を見いださせる学習パターンが必要になってくる。

本校では、進路指導の授業の中に、小集団学習の場を設けて、考えを出し合ったり、考えを確かめ合ったりして、問題の共通化を図るための実践を試みてきた。その中で浮かび上がってきた

 

図1 研究の組織

 

 

 

 


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