教育福島0104号(1985年(S60)09月)-019page
5)並べ組み合わせる
(3) 情報資料の活用
情報資料室では、進路相談や情報学習が能率的、効果的に進められるよう生徒はもちろん教師や保護者にも情報が提供できる場であるよう考慮した。
特に生徒の出入りの自由と資料活用の適時性、生徒個人、またはグループの調査研究と学習資料作成の援助、進路学習で使用後の資料の保管と再生利用などに配慮してきた。
5 保護者研修部会
進路指導は家庭の協力がなければ十分な成果を上げることはできない。中学生にとって、進路選択に対する家族の考え方は、大きな役割を果たしており、家庭を切り離して、生徒の進路指導を考えることはできない。
したがって、保護者が子供の進路に関する視野を広め、「正しい進路への認識、理解を高める」ことをねらいとして次のような研修を実施してきた。
(1) 講演会を利用した進路意識の高揚
(2) 上級学校視察による進路への関心、意欲の高揚
(3) 進路情報を利用した保護者の進路意識の高揚
(4) 保護者との相談・三者相談による個別化
(5) 保護者研修講座の実施
6 調査検査研究部会
「生徒の能力、適性を正しく把握し、プロフィール作りを継続的にできるシステムを作りあげる」ことをねらいとして、次にあげる諸調査、検査を実施し、生徒の自己分析、自己理解、自己伸長に役立てるように努めてきた。
(1) 第一学年・知能検査・性格検査・標準学力検査
(2) 第二学年・職業レディネステスト
(3) 第三学年・知能検査・職業適生検査
(4) 全学年共通・家庭環境調査・進路希望調査・スポーツテスト・悩み調査・ソシオグラム作成
(5) 卒業生・卒業生の進路に関する実態調査
(6) 保護者・保護者に関する意識調査
五 反省と今後の課題
教師に望ましい進路指導の在り方の意識が高まり、生徒も自分たちで情報収集に参加したり、高校や事業所で働く人たちに目を向けて、日常会話や班日誌などに進路選択や将来の生き方を記録するなどしたり、進路への関心が高まってきたようである。
しかし、一人一人の生徒がどれだけ自分自身の能力、適性を把握し、自主的な進路選択の能力が育ったか、という疑問が残る。各研究部会の課題をもとに、更に研究を深めて、これらの問題が解決できるように努めていきたい。
ひとりひとりに自己を正しく見つめさせ、生きがいをもたせる進路指導河溝沼部会津坂下町立第二中学校
一 主題設定の理由
進路の選択は、人間としての生き方の問題である。これまでの進路指導を見直し、未来を志向するものにしなければならない。
そのためには、生徒に正しい職業観をもたせるとともに、自己の適性を見いだし、啓発的経験や体験を通じて、自己実現を目指し、主体的に生き抜く態度や能力を身につけさせることが、大切な課題であると考えた。課題の追求にあたっては、学校教育全体を通じて、個々の生徒の能力・適性等の把握に努め、その伸長を図り、計画的・組織的系統的な援助指導が最も重要な二とである。
そのために本校では、課題の追求のために、五本の柱を設定した。
(1) 学級指導の充実と自己啓発
(2) 自己理解を援助するための進路情報の収集・選択と効果的活用
(3) よりよい自己理解と生徒理解や進路決定を援助するための相談活動の充実
(4) 全教育活動・啓発的経験を通して自己実現を目指すため各教科指導の充実と主体的・創造的生徒活動の実践
(5) 保護者の深い理解と協力を得て、のぞましい自己実現を図るための研修活動の充実
二 学年発達段階と各研究指導部との関連(表1)
三 各部の研究実践活動(概要)
学級指導部
1 学級指導における進路指導
学校の全教育活動を進路指導の面から、補充・深化・統合の場としてあるのが学級指導である。中学校指導書「特別活動編」には、学級指導の目標や四つの内容が示されている、「生徒活動」と「学校行事」のいずれも進路の指導を目指す、自己実現への大切なはたらきをもつ活動といえる。
(1) 教育課程の改善
日課表及び年間指導計画の見直しを行い、特に学年・学級の生徒の実態に応じた学級指導の展開ができるよう指導計画を改善した。
(2) 年間指導計画と指導案の改善進路の学習を充実するため、三年間の指導を見通し、43時間の系統的