教育福島0104号(1985年(S60)09月)-036page
魅力ある農業教育を目指して
第二十五回東北地区高校学校
農業教育研究大会開催
第二十五回東北地区高等学校農業教育研究大会並びに全国高等学校農場協会東北支部総会は八月二日〜二日の両日、福島市の県立福島農蚕高校で開催された。
本大会は東北六県の農業高等学校の教職員が集い、時代に対応した農業教育の充実・発展を目ざし、教育現場の抱いている諸問題や改善策をもとに研究協議して今後の高等学校農業教育の発展に資することを目的に毎年開催されている。
今大会は、福島県が開催となり、東北六県から教職員・関係者二百五十名が出席し、猛暑の中、講演や研究協議等に活発な意見を交わした。
以下、大会の概要は次のとおり。
一、開会式
初日の開会式は午前九時より福島農蚕高体育館で行われ、大会名誉会長の佐藤昌志県教育長があいさつ、「農業高校入学者の多様化、志願者数の減少等、農業教育を取り巻く環境は厳しい。急速に進む技術革新の波に対応した魅力ある農業高校づくりに努めてほしい」と述べました。
次いで、大会会長の佐藤保太郎福島農蚕高校長は、最近の農業教育は、農業を取り巻く厳しい情勢の影響をうけて、量的にも質的にも大きな変化をきたし、抜本的改善が求められております。
農業教育の目標は、中核農家を中心とした、後継者の育成と、安定兼業農家群の後継者である地域産業の担い手を育成する等、教育内容、学科の改善について早急に検討をしなければならない。
「その改善の視点は生物工学の発達や、農業生産の情報システムにどう対処するか等の研究を深め、また、それぞれの学科において将来の進路に対応した措置が重要であります」と述べさらに、昭和六十二年度日本学校農業クラブ全国大会が、本県を中心会場に開催されることに決定したことを明らかにし東北各県への協力を要請しました。
二、講演
新しい技術を導入した魅力ある農業教育が望まれていることから、「コンピューターと植物培養について」と題し、大阪大学薬学部生薬材料学研究室の那須正夫氏が講演、この中で「コンピューター利用による植物培養は、農業発展に大きな力となる。農業高校の教育にも、基本的な理論や技術の導入を取り入れる必要がある」等の提言がなされた。
また、宇都宮大学教育学部教授の斎藤健次郎氏は「先端技術に対応した今後の農業教育の在り方」と題して講演された。
三、研究協議会
研究協議会は、二日の午後一時より行われ、メーン・テーマである「時代の進展に対応した高等学校農業教育の充実・発展を図るため、教育課程実践上の問題点及びその改善について」のもと五分科会に分かれ、各県の代表者による研究実践を発表し合い熱い討論が行われた。
分科会のテーマ及び発表県は次のとおりである。( )内は本県発表者
○第一分科会(自営者養成学科)
テーマ
「自営者養成学科における効果的な学習指導計画及び指導方法の工夫と改善について」
発表県 山形 青森 宮城
○第二分科会(関連産業学科)
テーマ
「関連産業学科における効果的な学習指導計画及び指導方法の工夫と改善について」
あいさつする佐藤保太郎大会会長(福島農蚕高校長)
スライドを利用しての講演