教育福島0105号(1985年(S60)10月)-031page
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二、研究の取り組み
(一)研究に対する基本的な考え
1)研究のために特別な教育課程を編成することは極力避け、日常の教育活動の中で研究を推進する。
2)学校行事の実施にあたっては、可能な限り互いに訪問し合うことによって交流の機会を拡充するとともに間接交流のあり方についても工夫した。 L
3)両校教師間の親睦を図り、連携を深めるとともに、本校教師が養護教育にいっそう深い認識を得られるようにした。
4)文献研究、先進校視察、講師の招へいなどにより、交流教育についての理解を深めた。
5)研究主題についての理論研究及び実践研究を深めるため、定期的に校内研究会を開催した。
6)PTA、公民館などの協力を得て地域社会に積極的に働きかけるとともに、地域の人々の障害児に対する理解を深めるように努めた。
以上のことをふまえ研究に取り組んだ。
(二)教育課程への位置づけ
研究推進にあたって一番大切なことは、「障害児を肌で知る」ことと考え、五回にわたる交流行事を設定するとともに、道徳教育、特別活動及び「創意を生かした教育活動の時間」の年間指導計画を交流計画に沿って改善し教育課程に位置づけた。
(三)研究組織と方法
1)全体研究協議会研究推進の重要事項を審議
2)研究推進委員会実践事項の全体的な企画、運営と各係間の連絡、調整
3)渉外係一教頭、研究推進委員長)協力校及び関係諸機関への連絡など
4)庶務係研究情報の収集、整理と実践の記録及び諸調査の実施、整理など
5)指導係交流行事、道徳教育、特別活動の三つの係を設け、各々企画、運営にあたった。
そのほか、次の三つの会を設け、協力校との連携強化を図った。
1)二校連絡会一両校の渉外係)交流活動に関するすべての企画、運営と研究推進についての連絡、調整
2)合同研修会活動の実際について評価し、理解を深めるとともに、次回の調整を図る
3)職員懇親会一、二年次とも、各一回実施し、親睦を図るとともに、交流教育のあり方について共通理解を深めた。
(四)交流教育推進の全体構想(図省略)
(五)交流活動の形態
1)全体交流
本校生徒を一年次は四十二班、二年次は四十八班(一クラス六班)に編成し、養護学校の児童生徒も同じ班数に分かれ、年間を通して理解を深め合うようにした。各班にニックネームをつけ、識別しやすいワッペンを生徒が作成し、着用することにした。
交流の内容については、心身の症状、特性、行動について養護学校の教師と十分話し合い、生徒自らの力で創意工夫し、多様な遊び活動を選択できるよう配慮した。
2)部分交流
両校の体育祭、学芸会などの学校行事や養護学校に隣接する精神薄弱施設(東洋学園)の学園祭などへ代表生徒がボランティア活動の一環として参加した。主として日曜日に実施されるものを中心に行った。
3)間接交流
児童生徒の作品や手紙、年賀状、クリスマスカード、交流会時の招待状などの交換による交流を行った。
三、交流活動の実践例
−第五回交流会(赤トンボ交流会)から
(1)期日 昭和五十九年十旦二十日(水)
(2)ねらい
1)前回の体験をもとに、心身障害児に対する正しい理解にもとづく思いやりのある行動を通し、より豊かな人間性を育てる。
2)心身障害児を理解することにより、自分たちとの共通点に着目し障害に配慮する態度を身につけさせる。
(3)実施にあたっての方針
1)前回の反省にもとづき、養護学校の児童生徒の障害の状態、特性行動などを事前に把握する。
2)交流委員会が各学年、学級の窓口となり、交流活動を積極的に推進する。
4)第五回交流会計画案
(班別交流計画書は省略)
(5)工夫、改善した点
1)数回の交流会を通して、これま
第5回の赤トンボ交流会(富岡二中)