教育福島0105号(1985年(S60)10月)-039page

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・歯ブラシ検査の実施

・親子歯みがきカレンダーの配布と記録の収集

・親子歯みがきテストの実施

・児童保健委員会活動の強化

・歯科衛生ポスター、習字、作文校内コンクールの実施と対外コンクールヘの参加

・幼稚園児の歯みがき指導、歯みがきテスト、歯ブラシ検査の実施

4)啓もうを中心とした予防対策

・「保健だより」の発行(毎月一回)

・「は・あれこれ」の発行(毎月一回)

・「PTA会報」、「学校だより」等の活用

・河東町広報「かわひがし」の活用

・歯によいおやつ、歯に悪い歯ブラシ展示の実施

・「家族歯みがき写真コンテスト」の実施

・授業参観日等における全体会での講話

5)環境づくりを中心とした予防対策

・蛇口の増設と交換

・歯科指導用教材、教具等の整備充実

 

四 実践の成果

(一)むし歯の早期治療、完全治療が定着してきたこと。

徹底した治療勧告、治療指導により治療しなければならないという意識が高まってきた。

(二)歯の正しいみがき方が実践されるようになってきたこと。

毎月カラーテスターを使って、歯みがきテストを実施してきた結果、児童の歯みがきも単なる習慣的・形式的なものでなく、自分の口に合った歯ブラシを選び、正しくみがこうとする態度も身につけてきており、テストの結果でもA…きれい、の判定を受ける児童が増加してきた。

(三)「しあげはお母さん一かかえみがき」が浸透してきたこと。

むし歯予防は乳幼児期からという立場を一層重視し、四月当初に幼稚園や低学年の父兄を対象に、子供と一緒にみがき、かかえみがきをしてやること子供がみがかないでいることを黙認しないこと、食事のバランスやおやつの与え方に注意することなどを「親の心得三か条」として呼びかけてきた結果従来までの「歯をみがきなさい」という命令型から、一緒にみがく姿や、特に幼児を持つ父兄にあっては、手をとって汚れの残っているところをみがきなおしてやるという、実践型が浸透し増加してきた。

四 むし歯予防について、意識の変化が見られるようになってきたこと。

1)児童の意識の変化

これまでのむし歯予防は、年度当初の歯科検診の結果に基づき、歯科医や学校の先生に口やかましく治療を勧められるからといった、受身的な治療や予防態度であったが、最近は自分自身の問題として、積極的に治療に努めたり、日常生活の中にあっても歯についての関心を示し、自ら養護診断を受ける児童も増え、むし歯にならないようにしようとする態度が見られるようになってきた。

2)父兄の意識の変化

毎月配布し、その実践結果の報告を求めている親子歯みがきカレンダーの返信によると、父兄自身も受身的な態度から脱し、正しい歯のみがき方がわかってきたこと、歯ブラシを選ぶようになったこと、父親や祖父母も協力してくれるようになってきたこと、などが寄せられ、学校の方針が父兄や家族の中に浸透してきた。

五 今後の課題

(一)昭和五十七年度以降の意図的、計画的な実践により、児童、教師、父兄の三位一体によるむし歯予防は、一応軌道に乗ってきたが、むし歯予防の問題はあまりにも日常生活と密着しているだけに、その対策が断続しないように、しかもマンネリ化しないようにしなければならないと考える。そのためにも、常にこの地域の実態に即し、地域の中により溶けこんだ指導や実践活動を、一層強力に推進していく必要がある。

(二)昭和五十八年度、初めての試みとして実施した、父兄対象の実態調査の結果からもわかるように、保育所や幼稚園との連携、さらには町保健衛生課地区担当保健婦との情報交換を重視し地域ぐるみによる協力体制をさらに推進していく必要がある。

(三)児童一人一人の歯をむし歯から守ってやるためには、教師や親の果たすべき役割や責任は大きいが、より本質的な問題は、児童一人一人が自らの問題として自覚し、自主的積極的に“むし歯をなおし、つくらないようにしよう”とする態度を育成していくことが肝要である。これまでの実践を通し、次第にそのような態度が見えてきているので、その芽を何よりも大事にしながら、今後ともむし歯予防のための実践を充実させていきたい。

 

研究実践レポート

 

童保健委員会による研究活動「さとう水やジュースによる歯の変化」を調べる

児童保健委員会による研究活動「さとう水やジュースによる歯の変化」を調べる

 

 

 


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