教育福島0105号(1985年(S60)10月)-041page
グラフと表。
(3)発問の工夫
児童の発表した考えを生かすようにするため、友達の発表について、どの児童も各自の問題として考えやすいように、発問の内容を児童に問いかけるようなものとした。
(4)特別教室の活用
指導内容によって、理科室、家庭科室を利用することにより、 「先生、今日何やるの」と教師が黙っていても興味を示し、楽しく活動するようになってきた。
(5)学級のふん囲気づくり
1)教師の姿勢として、一人一人の児童全員をいつも先生は大切にしていることを生活の中で感じさせた。
2)間違えても、みんなで考える
問題の提供者として、決して笑わない指導を徹底させた。
(三)基本的事項を身につけさせるための評価について
(1)形成的評価と補充指導計画
年間の評価計面に基づいて評価を行い、個人差に応じた指導をし、下位目標がその時間に達成されない場合、個別指導をしたり、同じ系統の単元で再び指導を行い総括的評価で確かめるなど、年間をとおして必ず、一つ一つの目標を達成させるよう努力した。(資料2)
(2)情意面の評価
1)ノートによる授業の楽しさの評価。
2)観察による授業に対する関心・態度の評価
3)ペーパーによる総合評価
以上によって評価すると、児童が授業に喜んで参加していたかどうかがわかった。
計算カードにより評価を実施したが、自分の間違いを生かしていく点で効果的であった。
六 研究の成果と今後の課題
(一)成果
(1)児童は、「やる気」を持って課題に取り組み、考えを発表し、友達の発表を聞き、また、考え、大切なことをノートするなど学習の仕方がわかってきた。授業の途中で飽きてしまう児童が少なくなってきた。
(2)年間を見通した評価計画の研究により、能力差に応じた評価の仕方がわかってきた。
(二)今後の課題
(1)自己教育力を育てるための学習指導と評価のあり方はどうすればよいか。
(2)意欲的に学習に取り組ませる手だてとして、児童の認識過程を十分に考えた工夫が必要であった。事象提示、発問などで児童全員に意欲的に取り組ませようとしたが、場面理解が難しい児童も多かった。
(3)情意面の評価を試みたが、それを授業の中で、どう生かしていくか。
等が今後の課題である。
資料1 指導過程の工夫
単元名 いれもののおおきさ(1/4時間)
資料2 形成的評価と補充指導計画
単元名(たし算1) 記号(V)5間中4問以上正答(達成)上位目標下位目標の内容は別紙(省略)