教育福島0106号(1985年(S60)11月)-008page
特集1
福島県の文化
はじめに
県民生活が物質的に豊かさを増し、また、県民の教育水準が向上するにつれて、県民は、これまでの生活のあり方について問い直すとともに、精神的な充足を強く求めるようになっております。
このことは、文化活動の活発化や郷土の歴史・文化に対する関心の高まりとなってあらわれております。
このような状況を踏まえ、県教育委員会では、
「伝統を生かした地域性豊かな文化活動の推進」
をスローガンに
○文化活動の促進
○文化の伝承の充実
○文化施設の整備充実
を三本の柱とし、県民が芸術文化に触れる機会の拡充や県民参加の文化活動の充実に努めるとともに、先人の残した文化遺産の保存・活用、並びに、文化施設の整備及び情報の提供の充実等に努めております。
以下、本年度県教育委員会が実施している各事業について紹介します。
芸術文化の振興
一、第三十九回県展
福島県総合美術展覧会(県展)は、本年で三十九回目を迎え盛大に開催された。
総出品点数は、千五十点で、そのうち公募作品は、八百八十点、鑑査の結果、四百六十八点が陳列され、招待、依嘱作品百七十点を合わせ六百三十八点が陳列された。本年は、若い人が質の高い作品を出品し、県美術界に新風を吹きこんだ。
○会期 昭和六十年六月一日〜十二日
○会場 福島県文化センター
○陳列点数 日本画六十三点、洋画二百十六点、彫塑五十八点、工芸美術七十点、書二百三十一点、総計六百三十八点
○観覧者数 約一万二千人
○審査員 〔日本画〕加藤美恵子、黒沢吉蔵、永山十志夫、
〔洋画〕鈴木亮平、西村栄悟、橋本章、半沢良夫、堀越政寿、山野辺義雄、吉井忠、〔彫塑〕白沢菊夫、新国孝雄、三坂制、
〔工芸美術〕遠藤兆映、佐藤潤四郎、関谷浩二、瀧田項一、角田弘司、
〔書〕桑原江南、佐々木折柴、鈴木瑞之、須田此亭、林泉汀
二、第九回県展移動展
県展移動展は、県展出品作品の中から優秀作品百点を選抜し、県内四ケ所を巡回展示するもので、本年で九回目を迎えた。
開催町村においては、老人クラブや小中学生の美術鑑賞会を実施する等、多くの人が作品を鑑賞し、地域の文化活動にとって有意義な催しとなった。
○開催地及び会期
西会津町 六月二十日〜二十三日
第9回県展移動展(小高町会場)