教育福島0106号(1985年(S60)11月)-023page

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生徒の結びつきをより深める学校教育のあり方についての御意見が多く出されました。

「教職員の研修と資質の向上」の面からは、教員であると同時に人間としての素養を培うことが大切ではないか、地域の教育に使命観をもった教師の育成が肝要である等の意見のほか、現職教育の充実、校長等の指導力の向上、やる気のある教員、信念のある校長等意欲的教師の育成に努めるべきであるとの御意見が出され、教師の力量、人間性の涵養等が重要な課題ではないかとの御指摘が多くありました。

次に「社会教育・生涯教育の充実」の面からは、現行の生涯教育の諸施策を更に推進し、きめ細かな実施体制をとる必要があること、社会教育の分野に現職及び退職教職員の参加を積極的にすすめる必要があるとともに、学校と地域住民との連携を促進するために学校教育に生涯教育の視点からの指導が必要ではないかとの御意見があり、社会教育がさまざまな分野で展開されていくことへの行政側の手だての必要性について提言がなされました。

その他、次のような意見の発表がありました。 (表3参照)

 

●学校教育全般

 

・全中学校にアドバイザーを配置してはどうか。

・授業日数を確保し、教師と子どものふれあいを深めることが必要である。

・学校に活力をとりもどす手だてが必要である。

・空論ではない実践に結びついた研究、研修が必要である。

・国際理解のための「外国館」の設置を検討してはどうか。

・中学校の進路指導を充実、適正化すべきである。

・自主的研究団体の育成をすすめるべきである。

・校長等の指導力の向上を図る必要がある。

 

●人事関係

 

・人事異動においては機械的異動はさけるべきではないか。

・十年交流(県立学校)はそろそろ見直すころではないか。

・管理職登用の年齢を引き下げることを検討してはどうか。

・教頭、校長への昇任選考考査の内容等について改善の余地はないか。

 

●社会教育・社会体育関係

 

・専任の地域スポーツ指導員の配置をすすめる必要がある。

・地域活動の核としての公民館活動をすすめる必要がある。

・ファミリースポーツ等を通して親子の対話を図る等の工夫が必要である。

・社会教育の専門職員はまだまだ不足している現状ではないか。

 

●その他

 

・PTAは学習団体であることを再認識すべきである。

・学区制の検討が必要な地域があるのではないか。

・一般の教職員の労苦にむくいるための表彰制度を検討してはどうか。

・教員採用試験のあり方を検討してはどうか。

以上のように、学校教育に関わる全ての分野において教育行政の果たすべき役割の重大さを指摘し、更に改善への努力が必要であるとの御意見をいただきました。

これらの点については、出席した教育長及び関係課長より、すでに改善をはかったもの、現在改善をめざして検討中であるもの等について具体的に説明いたしました。なお、その他検討すべき御指摘等については、関係機関等において鋭意研究をすすめていくことになりました。

最後に、本年度の教育広聴会において御多忙の中、御出席し御意見を発表いただいた方々に厚く御礼を申しあげます。

 

表2 教育庁側の出席者

表2 教育庁側の出席者

 

表3 意見の内容

表3 意見の内容

 

 

 


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