教育福島0106号(1985年(S60)11月)-035page
や「中央教育審議会教育内容等小委員会」(五十八年十一月)等から、児童生徒の学習意欲を高め、教育内容を確実に身につけさせるためには、一斉指導のみでなく、個々の児童生徒の特性を配慮した多様な学習指導方法を弾力的に進めていく必要がある旨提言されている。
教師の工夫と協力により、こうした多様な学習指導方法を効果的に実施するためには、学校にそれを可能ならしめるスペースが確保されていることが必要である。
3、ゆとり、うるおいと文化性を備えた施設づくり
「子供が一日の大半を過ごす学校施設は、成長過程にある児童生徒の心理・情操の面にも大きな影響を与える」(学校施設の文化的環境づくりに関する調査研究会議提言)ものである。従って、人間性豊かで、創造性に富む子供を育てるためには、子供の生活の場としてふさわしいゆとりとうるおいのある学校施設づくりが大切である。
また、学校建物は、地域の中心的な公共施設であり、地域のシンボルとしてふさわしい文化生を備えた施設づくりが必要である。
4、地域社会に開かれた施設づくり
学校は、地域の中心的な公共施設であり、単に子供を教育する場所として使用されるだけではなく、地域のコミュニティセンターとして、また、地域住民の生涯教育の場としても機能することが求められるようになっている。
そのため、屋内体育館や運動場のみにとどまらず、図書室、特別教室(音楽教室、家庭科教室等)、多目的スペース等を地域住民の利用に供するため、これらの施設と一般教室と区画しつつまとめて配置するとか、学校と社会教育、社会体育施設を近くに配置し、相互利用を図るなどの工夫が望まれる。
5、児童生徒の増減に適切に対応しうる施設づくり
学校施設を建築後、児童生徒の自然増減又は社会増減の生ずることは避けられないため、ある時には空教室又は教室不足が生ずる場合が予想される。このような状況に柔軟に対処するため、時には複数の空教室を活用して多目的スペースをつくり、時には多目的スペースをいくつかの教室に転用するなど、教室間の間仕切を可動性のあるものにするほか、広く将来の転用も考えた設計が必要である。
6、緑豊かな環境づくり
学校は、建物にとどまらず、その周辺やグラウンドを含めた校地全体が、人間性豊かな児童生徒を育成するための生活教育環境として整備されなければならない。
このため、空地を積極的に活用して、屋外ステージや花壇をつくったり、囲
表2 小中クラブハウス設置状況
表3 屋外教育環境施設設置状況