教育福島0106号(1985年(S60)11月)-049page

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活動内容もおのずと限定され、会活動が思うように行かないのではないだろうか。

したがって、現在の婦人会には、例年同じ事業を繰り返すことより、会員の若返りを図り、また、自らの生活を考え、行動するためにも、その後継者の育成が必要であり、それが行政の「指導・助言」すべきことかと考えている。

 

四、婦人国内研修

 

婦人国内研修は、婦人団体運営活動の振興、充実をはかるために昭和四十五年度から、婦人団体のリーダーを毎年先進地に派遣し、研修を進めてきたもので、昭和五十九年度において十五回目を迎え、派遣した研修生は延べ八十二名を数えている。

昭和五十九年度は、三重県四日市市、津市を研修地とし、各市の地元婦人会役員との交歓研修を行なったが、他の地域の事業の実例をただ持ち帰るのではなく、広く様々な人たちとの意見交換を通し、その地域を見て、実例となった事業が考えられた背景を知るとともに、大きな視野で自分の住んでいる地域と生活を見直すことを望んでいる。

常磐婦人会から参加した研修生は、「今後は家庭に安住せず、私自身のあり方を見つめ直して、婦人会組織の中での役割を果たせるよう努力したい」、また、四倉公民館婦人学級から参加した研修生は、「はじめていわき市を離れ、自然の美しさ、人と人との出会い、婦人会の組織の大きさ、どれをとっても新鮮なこと」、「津、四日市の婦人団体との交歓会に参加して大変得るものがあった」と述べている。

これらが、ひとつの刺激となり、婦人団体活動のあるべき姿、取り組み方について自信と希望の芽が育っていくのではないかと期待している。

 

五、今後の課題

 

1)研修で得た知識をどのような形で婦人団体活動に生かしていくか。印象が鮮明なうちに、地域に還元するような「手引き」づくり等の企画を考えていきたい。

2)研修修了生による連絡会を組織していく必要はないだろうか。

3)募集期間が短く、また募集の方法も公民館と婦人団体に依頼するという形をとっているが、より多くの婦人に知ってもらうには、募集にあたってもう一工夫が必要かと思われる。

 

六、おわりに

 

社会教育に限らず、学習効果は学習者の意欲によるものが大きい。したがって、社会教育における学習内容は、いわゆる「要求課題と必要課題」という、学習者と教育条件を整備する者との話し合いの結果であるべきことは言うまでもない。

「数」による評価は、一目瞭然ではあるが、それは教育的評価とは言えないであろう。

本市における婦人教育事業の評価にあたっては、どの程度、婦人の学習意欲を引き出すことができたか、またその学習要求のレベルはどの程度向上したか、ということを感じ取らねばならないと思うのである。このことによって、はじめて次の事業を企画できるのであって、婦人そして市民が教養を高めるためのお手伝いができると考えるのである。

 

まちからむらからこんにちは

 

快適な環境づくり福島県民憲章

制定 昭和五十九年六月五日

 

豊かな自然と美しい風景に恵まれた広大な福島県は、わたくしたち県民の誇りであります。県民すべての努力によって、わたくしたちの生活は豊かで便利になりましたが、その反面、自然や緑、まちの清潔さや人々の心のうるおいなどが次第に失われてまいりました。

こうした現状の中で、身近な環境をより快適なものにしようとする願いが人々の間に高まっております。

この願い実現するためには、わたくしたち一人一人がそれぞれの立場で、快適な環境づくりをめざして身近なことから、共通の努力をしてしくことが必要であります。

わたくしたち自身と子孫のために、美しさ、うるおい、ゆとり、静けさのある快適な環境をつくりあげるため、進んできまりを守り、知恵と力を出し合い、みんなが協力し、たゆまない県民運動として住みよいふるさと福島県をつくりましょう。

 

一、豊かな緑を育て、きれいな川や湖を守り、うるおいのあるふるさとをつくりましょう。

一、空きかん、紙くずなどは投げ捨てないで、すがすがしいふるさとをつくりましょう。

一、看板、ポスターの掲示にはきまりを守り、心なごむ美しいふるさとをつくりましょう。

一、大きな声やもの音で、まわりに迷惑をかけないで、静けさと落着きのあるふるさとをつくりましょう。

 

熱心に研修する婦人会の皆さん

熱心に研修する婦人会の皆さん

 

 

 


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