教育福島0107号(1985年(S60)12月)-007page

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福島県中小企業振興審議会委員、同大規模小売店舗審議会委員、福島商工会議所議員、福島県中小企業団体中央会顧問、同中小企業診断協会理事、同中小企業福祉事業団理事、福島県後期中等教育審議会委員、同文化功労賞審議会委員、同文化振興基金理事、福島市青少年問題協議会委員、学校法人福島緑が丘学園理事、テレビュー福島番組審議会委員長、福島地区保護司会長、民事調停委員として、県、市行財政の確立、中小企業の育成、教育文化の向上振興のために活躍されている。

 

多くの害悪を生む。

「教育、科学、文化の発展に努めよう」は綱領第三である。

貿易摩擦を始め、我が国を取り巻く状況は極めて深刻である。国際関係の複雑なことを改めて認識させられる思いであるが、国際間の紛争は単に国家間の利害に依るばかりでなくて、むしろ誤解や感情に基くことが多いのではないか。平和と友好を永続させるためには、これを取り除くための忍耐強い努力が常時行われなければならないのである。

綱領の第四は「民族間の疑惑と不信をのぞこう」である。

結局言うは易く、行うは難いきらいはあるが、世界の人々が互に友愛の絆で結ばれようとする努力のみが、この世界の平和と繁栄を保証する唯一つの道なのであろう。食糧、資源、環境或いは科学の発達も単に一地域、一国家の問題ではなく、隣りの、またその隣りの地域、国家の問題である。地球の規模で考えなければ解決し得ない問題が山積している世界の現状である。それは、人間は共存の原則の下に手を携えて、衰え行く資源である地球に対応すべきであるとの警告でもあろう。

綱領の第五は「世界を友愛と信頼のきずなで結ぼう」である。

国際連合の理想の下に、今、多くの国際援助や華々しい外交が行われているが、その成果は遅々たるの感を免れない。

本当は世界が一つになり、お互の心が通じ合うということは、そんな形式ばったことではなくて、個人、個人が仲好くなること、そしてその輪が拡がって、世界の人々の連帯が作られることではないであろうか、少しでも多くの外国人が日本の実情を知り、.すこしでも多くの日本人が外国人のことを理解し、その理解の輪が拡がるときに大きな成果が得られるのであろう。

ユネスコは、そのために、現実にはその何分の一も実現されてはいない五つの理想ともいうべき綱領を掲げて一灯一灯をともしているのである。

最近、国連ユネスコはアメリカの脱退もあり、何か不安な感じがしないでもないが、我々のユネスコ活動は民間活動であって、国際間の思惑に左右されるものではなく、国連の場でそのような問題があればこそ、民間活動がいよいよ必要な時でもあろう。

福島県の地域、学校、職場の中にもっと多くのユネスコ活動の場が生れ、世界の平和と繁栄を願う人々の、ささやかではあるが、具体的な実践の場として提供されることを心から願うものである。

 

ユネスコ活動をよびかける筆者

 

 

 

 


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