教育福島0107号(1985年(S60)12月)-009page

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め、実践できる児童の育成を目指して研究をすすめることにした。

また、本校教育目標や児童、地域の実態から、生活上の基礎、基本を確実に身につけ協力し合える子を育成するよう副主題を設けた。

 

三、研究の見通し

 

(1) 一人一人の児童に道徳的価値を自覚させ、実践力を高め、道徳的実践の原動力とするため、「道徳の時間」の質的改善を図る。

(2) 基本的生活習慣を身につけさせるため、児童の日常生活の問題点を的確に把握し、全教育活動を通し、実践と確かめを継続的に根気強く行う。

(3) 基本的生活習慣の定着化と、家族を含む一人一人の道徳的意識の浸透を図るため、道徳教育を基盤とした家庭との連携を深める。

 

四、研究内容

 

(1) 諸調査、検査、観察等により、児童及び家庭の実態を明らかにし、研究の基盤づくりに役立てると共に、計画的、定期的実施によりその変容をとらえ、評価・指導改善の資料とする。

(2) 明らかにされた実態をふまえ、道徳教育の全体計画、年間指導計画を改善し、「道徳の時間」の充実と、全教育活動の有機的な経営による有効な道徳教育の実践に役立てる。

(3) 年間指導計画に基づいて幅広い資料の収集と作成に努め、活用し易い保管法を工夫し、効率的な授業の展開に努める。

(4) 見通しに基づく授業研究を実施し、授業の質的改善を図り、道徳的実践力を高める。

(5) 本校の道徳教育目標達成のため、全教育活動の指導の見通しを図り、生徒指導との密接な連携により指導の改善充実に努め、道徳的実践の習慣化を図る。

(6) 学校・家庭連携推進会議や、道徳の授業公開及び学年・学級懇談、広報活動等を通し、道徳的意識の高揚と児童の基本的生活習慣の定着化に努める。

(7) 望ましい環境を構成することにより、道徳的実践意欲の醸成と情操の陶冶に努める。

 

五、研究組織(図1)

 

六、研究実践の概要

 

(一) 全体計画と年間指導計画の改善

(1) 全体計画の改善

1) 教育目標の具現に向けて、道徳教育の基本方針を明示し、各教科・道徳・特別活動、更には日常生活での指導などにおける道徳教育がそれぞれの教育活動の特質に応じて果たすべき役割を明らかにした。

2) 「道徳の時間」の指導計画の位置づけをし内容を明確にした。

3) 道徳教育重点目標を設定し、一貫して重点的な指導ができるようにした。

4) 家庭や地域社会との連携を深め、それぞれの特質に即しながら一貫した道徳教育が推進されるよう計画的に位置づけた。

5) 教育基本法、学校教育法及び学習指導要領、県や市の施策に従い、なおかつ道徳性に関する児童の実態や家庭・地域社会の実態と要望などを的確に把握し計画に反映されるようにした。

6) それぞれの内容、位置づけ、関連などを一覧表で表した。

(2) 年間指導計画の改善

1) 児童の道徳性の実態と望ましい人間像について明確にとらえるようにした。

2) 学習指導要領の内容及び学校の教育目標、道徳の全体計画をふまえ学年別重点目標を検討した。

3) 資料はねらいの達成を容易にし、児童の発達段階や生活経験からみて適切なものを効果的に取り扱うようにした。

4) これまでの様式に新たに展開の大要欄を加えて、授業展開の手がかりとして活用できるようにした。

5) 指導内容によって家庭との連携を図った授業の展開を試み、実践への意欲が一層高められるようにした。

6) 重点指導内容の二主題扱いを前期・後期に分けて行い、指導の重点化を図った。

7) 主題の性格や各領域、その他の教育活動、社会的行事、季節等を考慮して主題を配当した。

(二) 授業の質的改善

(1) 価値の自覚を促す指導の条件として次の五つをおさえ実践した。

1) 児童理解及び指導の個別化が図られていること。

2) 指導の過程で一人一人に自己実現の場を与えること。

3) 学級集団の多様な価値観を活用すること。

 

図1 研究組織

 

 

 

 


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