教育福島0107号(1985年(S60)12月)-010page

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4) 指導前より進歩と向上が見られること。

5) 他の批判でなく、自己内省できる指導であること。

(2) 道徳の授業の基本過程(図2)

(3) 資料活用の工夫

1) 資料分析の手順

選択された資料を授業の中にどう位置づけどう生かすかを考えるため、次の手順で分析することにした。

ア、ねらう価値を明らかにする。

イ、資料の中の関連価値を吟味する。

ウ、資料分析表を作る。

エ、基本発問及び中心発問を設定する。

2) 資料の提示、活用

本時のねらい、指導段階、児童の興味などを考え効果的な資料の提示、活用の工夫に努めてきた。

(4) 一人一人を生かす工夫

1) 事前調査、日常の観察等により実態をよく把握しておき、授業における児童の反応を確かめながら意図的に指名をするようにしている。

2) 家庭との連携を図るのに適した内容については指導過程に位置づけた。

ア、導入の段階では家庭に対する事前の調査を統計処理して児童に提示したり、録音によって親の考えを聞かせたりして、価値への方向づけに役立てた。

イ、終末の段階で意欲化を図るため父母の声や手紙を副資料として用いてみた。これらは児童の心を強くゆさぶり感動を高めることができた。

(5) 発問の工夫

1) 基本発問は精選して少なくおさえ、その中で最も重要と思われるものを中心発問として○印をつけて表すことにした。

2) 基本発問、中心発問の働きをよくするため補助発問も用意する。

3) 価値を主体的に自覚させる重要な一般化の段階での発問を次のようにおさえて実践してきた。

ア、直接経験を問う発問(自分のこと)

・行為について語らせる。

・行為と判断について語らせる。

・行為と心情について語らせる。

イ、間接経験を問う発問(他人のこと)

・行為について語らせる。

・行為と判断について語らせる。

・行為と心情について語らせる。

 

(三) 道徳的実践の指導

(1) 三あ運動の実践

基本的生活習慣確立のため、本校の重点目標や保護者の要望、教師の意見、児童のアンケートによる実態調査などから、「あいさつ」「安全」「後始末」の三つの「あ」の実践化を目指す運動を児童、教師、保護者が一体どなって次のように展開している。

1) 各学年ごとに、各教科、特別活動等における「三あ運動」の推進計画を作成し、指導の徹底と実践化を図っている。

2) 各月の第一週を実践活動強調週間とし、係の児童、教師がチェックと指導を行う。

3) 週努力事項にも取り入れ、全児童の実践目標として児童会活動の一つとしている。

4) 学区内の全家庭に「三あ運動」の趣旨、内容を説明したちらしを配布し、理解と協力を呼びかけた。

(2) 協力活動の推進

1) 古切手、ベルマークの収集活動を家庭の協力を得て活発に行い成果を上げている。

2) 同一地区の児童で構成する仲よし子供会の諸活動も地区の人々から好評である。

3) 学校行事にかかわる事前、実施、事後の協力活動は、主として高学年の児童で、自主的にしかも喜んで参加している。

4) 創意の時間としての「ふれ合い活動」では、学級や学年の枠をはずして行うことも計画され、助け合いの光景も見られる。

5) 給食、清掃等においても協力活動の指導を行い、かなり定着してきた。

 

図2 道徳の授業の基本過程

 

 

 

 


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