教育福島0107号(1985年(S60)12月)-015page

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本校では図1に示したように、一人一人の児童について指導上の課題を把握し、その集約に立って指導目標を的確にとらえる努力をしている。

この資料は、道徳教育の全体計画、年間指導計画を検討していく上に生かしている。さらに、この資料は本校の現状を示すことにもなり、指導態勢を強化する上で重要な資料ともなっている。

図1の重点価値を集約し、整理してみると図2のような状況となる。全学年共通しているところ、低中高学年別により異なるところと児童の実態に対応した教師の願いが読みとれる。

さらに、この資料をもとに道徳教育の重点目標、重点指導事項等に関連させて、学級の指導目標をより確かなものにしている。

(二) 道徳の時間の充実

(1) 指導過程(基本型)

先進校の授業を参観させていただいて感心することは、教師が自信にみちた態度で授業をすすめていることである。この態度はおそらく授業に対する見通しを持ち、児童と共に考えていこうとする教師の姿勢を持っているからだと思う。

本校としても、授業を担当する誰もが道徳の授業を苦にせず取り組めるような実践的な研究にしたいと考えた。

また、協同推進校としても、各校が共通の理解に立って道徳の時間の指導過程を組むことの必要から、図3に示した(授業者の工夫が加味されることを含めて)授業の基本型を設定した。

(2) 展開前段の発問

展開前段は、主資料を用いてねらいとする価値の追求把握をする過程である。その目的を果たすために、どんな発問をどんな順序で行えばよいのかが問題になる。この問題の解決が授業に対する自信を深めることになると考えた。

児童が道徳的価値を自分のものとして受けとめるには、問題場面に対面し、そこで葛藤しながら自分なりに一つの価値を指向する。それが結果として良否いずれのものであったかは、その後の周囲からの多様な考え方に出会うことで強化される。また、どうすることが人間として望ましいあり方であったのかを感受するのも、その後の周囲からの情報を得てからが多いのである。

児童が日常生活において、このような一連の過程をたどって道徳的価値を主体的に受けとめていくとするならば道徳の時間においても、資料を通して追体験しながら、そのような過程をたどることがより自然であり、効果的であると考え、展開前段における発問の

 

図1 学級の目標と個々の生徒の指導上の目標

図2 重点価値の集約

 

図2 重点価値の集約

図3 授業の実践例:3年「なかよしだから」(18信頼・友情)

 

図3 授業の実践例:3年「なかよしだから」(18信頼・友情)

 

 

 

 

 

 


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