教育福島0107号(1985年(S60)12月)-016page

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構成を位置づけたのである。(図3)

なお、この構造はどのような主題に対しても適用できる万能なものではなく、また、発問の数を限定するものでもないということである。しかし、共感資料や批判資料として資料を活用する場合は、おおいに参考となり、授業に取り組み易くした点で果たした役割は大きいと思う。

(3) 資料の分析

資料の分析は、物語の構造的把握を目的とするのではなく、ねらいにせまるための要素把握が目的である。

また、ねらいや資料のもつ性格からどのような活用類型ですすめるかを見定めることも大切である。そして、ねらいとのかかわりから、どこを中心場面とするか、何を問題として話し合うか、また、どこに気づかせたり深めたり、感じとらせたりする要素が潜んでいるかを明らかにすることが必要である。このような資料の分析を正しく行うため、すじの流れと心の動き、内在する価値などを構造的に表すことも試みた。

 

三、地域連携を深めるために

 

(一) 今、できるもの

地域連携を考えるとき、考えなければならないことはPTA活動が、どのように研究推進と連動していくことが望ましいのかということである。

そこで、従来のPTA活動を見直し、今後の活動のあり方を構想するとき、次の三つの柱を考え実践推進した。

(1) 父母の理解を深める活動

道徳の授業参観と懇談会は、父母にわかり易い授業案内を配布するなど工夫を加えながら実践した結果、授業内容に共感して手紙を寄せて下さった方、指導内容二十八項目を家庭教育の参考にするためコピーして欲しいという方などもあり、理解と協力を得る方法として効果的であったと思う。さらに、道徳の授業を初めて知る人もいることや父母の年代によって道徳教育の受けとめ方に違いがあることがわかり、今後の家庭との結びつきについての問題点をとらえることができた。

(2) 親と子のふれあいを深める活動

学年行事、委員会行事などでは、父母の行事運営が手なれてきて子どもたちを喜ばせるだけに終始することを反省して、子どもたちの役割場面を用意して、親と子でつくり出す運営方法がとられるように工夫されてきた。

このことによって、わが子だけにとらわれていた父母の目も、次第に他の子にも向けられるようになり、他の子との対話も多く見受けられてきた。

(3) 環境を整備する活動

道徳教育に関する標語募集を行い、入選作十二点を父母の手で立看板に仕立て各方部に設置して、地域住民へのアピールを図った。

あいさつ運動も、子どもを守る会の行事等でさかんに指導しているようすがうかがわれ、父母の活動が以前にも増して活発に行われるようになってきた。このような単P活動を背景に町連Pにおいても、道徳教育を広める広報紙「こころ」を発行し、町内全戸に配布するなど地域的な広がりもみられるようになってきている。

そのほか、町内の小・中・高校を中心に各種団体を含めた「小高地区児童生徒指導協議会」(昭和五十年設立)と、公民館活動の一つで本年度二十八回目になる小高町社会教育研究集会等の活動体があり、今後一層の連携強化が望まれるところである。

 

(二) 家庭への呼びかけ

地域連携とは、学校、家庭、地域が一体となって家庭の教育力、地域社会の教育力を回復することを願うものだと考える。前項のPTA活動にしても家庭

 

図4 子どもの生活ごよみ

なまえ松本智恵子

 

 

 

 


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