教育福島0107号(1985年(S60)12月)-030page
乾いた粉の上でまぶし、てかてかになるまでこすって「ほら、玉だぞ!」なんて遊んだものである。
そんな泥んこ遊びから、焼きものづくりに発展したという話も聞いたことがある。
子どもの遊びには、つねに新しい発見がつきまとうものだ。
川が高いところがら低いところに流れるのも、水いたずらで知ることだしアリが働きものだと知るのも、土遊びから学ぶことだ。伝承的な草花遊びには、そうした子どもの発見や、いたずら心がつくり出したものが多いのではないだろうか。
春はレンゲやシロツメクサで首輪や王冠をつくり、夏になればアサガオで色水をつくって絵を書いたり、ホオの葉で風車やお面を作るのも夏の遊びだ。秋になれば松ぼっくりを拾って、人形をつくり、どんぐりでコマができる。松葉ずもうやオオバコの茎で引っぱりっこするのは、木や草花の性質を知るうえでも、かけがえのない遊びであるまた、「学校の校庭の草むしり」だってペンペン草の根が、どんなに強いかを知る大事な勉強にもなる。
こんな自然学習の話をすると、都市の先生から「私のところには、そんな自然はない」と反発が出るかも知れないが、自然がないのではなくて、自然を見失っているように思える。
大杉の子どもたちは、おもちゃなどは滅多に買ってはもらえなかった。だからいろいろと作った。桜の木の枝を切ってくると、皮を一生懸命こすって、丸ごとスポッと抜いて、それを刀のサヤにして遊ぶことを知っていたし、篠竹で紙でっぽうを作ったりして遊んだ。そういう遊びの中で、知らず知らずのうちに、木の特質や竹の性質を知る。
木に登るのも、柿の木やクルミの木は折れやすいことを知っていたし、ウルシの木がかぶれるとか、ハチに刺されたらアサガオの葉をもんでつけることや、しもやけには「雪の下」がいいということを、いつの間にか覚えていた。それは、みずから自然とかかわっていたこともあるが、やはり異年齢の遊び仲間や、親兄弟に教えられたことなのであろう。
いまの子どもたちは、自然と触れ合う機会が、きわめて少なくなっている既製品のものに慣らされ、自然とかかわることによってつくり出される生活文化が、失われているように思えてならない。そのために創造力が衰え、科学する心がなくなっているのではないだろうか。
『自然とかかわりながら、生きる教育を』少なくとも、いまの教育にもっとも必要なことではないか、と思われる今日このごろである。
(田島町立檜沢中学校教諭)
文部省教育モニターを募集しています
文部省では、政府の文教施策について、広く一般国民から意見、要望等を聞き、文教行政の参考とするため、昭和六十一年度教育モニターを次により募集しています。
◆仕事
教育モニターには、次の仕事を行っていただきます。
1) 文部省がお送りする文書に御意見などを記入し、回答していただきます(テーマ報告)。
2) 1)以外で、文教行政に対する御意見、御要望などがある場合は随時お送りいただきますく随時報告一。
◆募集人員
五〇〇人 依頼期間 二年
(六十年度に依頼した方と合わせて、教育モニターの人員は一、○○○人となります)
◆応募資格
教育について関心があり、教育モニターとして仕事に熱意をもっている年齢満二十歳以上の日本国民です。
ただし、次の方は応募できません。
1) 国会議員及び地方公共団体の議会の議員
2) 常勤の国家公務員及び地方公務員(ただし、校長及び教員は応募できます)
3) 行政相談委員法による行政相談員
4) かつて文部省教育モニターであった者
◆謝礼等
謝礼は、文部省からお願いした「テーマ報告」について御意見を提出していただいた場合は、一、五〇〇円をお支払します。また、文部広報、その他の広報資料を発行の都度お送りします。
◆申込先
県教育庁総務課広報係
〒九六〇 福島市杉妻町二−一六
電話(〇二四五)二一−二一一一 (内線 三九一六)
◆申込み締切日
昭和六十一年二月二十二日(土)
(郵送する場合には、二月二十二日の消印有効です。)
◆「教育モニター申込書」用紙の請求
所定の「教育モニター申込書」は直接、前記「申込先」で受け取るか、又は六十円切手をはった返信用封筒(あて先明記)を同封して請求してください。
◆選考結果
昭和六十一年四月に文部省で決定し、直接本人にお知らせする予定です。
※その他詳しくは、申込先へお問い合わせください。