教育福島0107号(1985年(S60)12月)-031page
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身近かな題材を選び、予想される困難点をこまかに指導すれば特殊的好奇心を刺激でき、拡散的好奇心へ変容させられよう。
(四) この学習では発表技術の指導に留意すれば社会的交渉を通じて向上心が刺激される。
(五) 自習作業に先だち、「意欲の構造」を知らせるのが効果的でなかろうか。
(六) この実験生徒群では聴講者にも拡散的知的好奇心を刺激していたことが明らかになった。
(七) この学習では外的評価をしない方が好結果を生ずるのでないかと予想される。
参考文献
波多野誼余夫・稲垣佳世子−知的好奇心(中公新書)昭和四八年。同・同−知力の発達(岩波新書)昭和五五年。坂元昂−学習意欲を開発する授業技術・基礎理論(明治図書)昭和五八年。
商業
効果的なプログラミング学習指導とコンピュータの応用利用教育を目指して
県立郡山商業高等学校
教諭 菅家昌人
一、はじめに
昨今、テレビや新聞紙上等において、「パソコン」や「ワープロ」といった情報処理機器が毎日のように報道され紹介されている。また書店ではそれらに関する書籍が数多く並べられている。
教育現場では、早くから汎用コンピュータを導入して、「情報処理教育」を行ってきたが、今はそれに加えてパーソナルコンピュータ(以下パソコンという)も導入され、指導者は新たに「情報処理教育」の発展的な指導理念の明確化を迫られ指導方法と指導内容の質的向上を模索しなければならない状況となってきた。
二、本校の教育課程と特色
本校は、一学年当たり事務科二クラス、情報処理科一クラス、商業科四クラスで構成されている。
各学科の単位計画表は表1のようになっているが、この中で情報処理機器を利用した科目が比較的多く、表2からもわかるとおり商業に関する科目の合計単位数は33単位となっている。
三、コンピュータの活用状況
本校のコンピュータの活用状況は、表2のとおりである。
これらの機器を利用して、指導担当者は情報処理関連科目の指導を行っているわけであるが、その内容は大きく分けて「プログラミング教育」とコンピュータの「応用利用教育」の二分野を考えることができる。
(一)プログラミング教育
「プログラミング教育」は「情報処理1)」で全学科の生徒を対象に指導し、さらに事務科では「文書事務」、情報処理科では「情報処理2)」で実施している。
使用機種は、事務科がパソコンを、情報処理科では汎用コンピュータで指導している。なお、商業科については「情報処理1)」の履修が来年度から実施予定で現在、未確定であるが、概ねパソコンを利用する方向で検討を重ねている。
(二)コンピュータの応用利用教育
応用利用とは、コンピュータを使ってデータ処理や検索、シュミレーションなどを行うことをいう。本校では、「総合実践」の授業で模擬取引によって生じたデータの処理として利用して
表1 教育課程単位計画表