教育福島0107号(1985年(S60)12月)-032page

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いる他に、同じ「総合実践」の中の一分野として「ビジネス・ゲーム」を、また「経営数学」の授業で、いわゆるCAI〈コンピュータを活用した教育)的な活用を図っている。

 

四、プログラミング学習指導

 

(一)プログラミング教育の目的

指導者は、プログラミング教育を実施するに当たり、次のことを基本において行っている。

ア、社会的に広く使用されているプログラム言語は何か

イ、指導単位数の関連で、効率良く指導できるプログラム言語は何か

ウ、コンピュータのシステム構成。

エ、生徒の進路先状況以上のことから、来年実施の商業科を除く各科の使用言語と選択理由を述べる。

事務科の場合は、情報処理関係科目履修単位数が二年間で六単位(ただし、五十九年度は四単位)と少なく、COBOL言語ではファイル処理まで指導することが困難であること。卒業生の進路先の状況ではコンピュータを本格的に操作するような仕事に就かないことから、指導効率の高いBASIC言語を学習させる。

反対に情報処理科は、情報処理関係科目の履修単位数が三年間で十単位と多く、COBOL言語によりファイル処理まで十分指導できる他に、社会的に広く同言語が使用され、かつ進路先の状況面でも関連する職種に就く生徒もいることから、COBOL言語で学習させる。

(二)効果的な学習指導法

本校では、これまで複数言語による指導を行ってきたが、それがきわめて非効率的であったために、二年前より学科の特性により前記のような単一のプログラム言語による一貫指導を実施することにした。

表3は、昨年度の情報処理検定の結果を示したものであるが、ここから次の二つの特徴をみることができる。

第一は、COBOL言語で受験した情報処理科の二年生の中から六名の一級合格者が出たこと。

第二は、「文書事務」四単位の中の一単位分(昨年度のみ)BASIC言語を学習した事務科二年生が、1わずか一単位の学習にもかかわらず、三級に九十一名中九十名が合格したことである。

これは、単一言語による指導とBASICによる指導の両面において、指導効率の高さを同時に示したものではないかと考えられる。

 

五、コンピュータの応用利用

 

以前はコンピュータを教育目的に利用する場合は、プログラミング教育がその中心であった。しかし、コンピュータのハード面の発達と汎用性が増した結果、教育現場でもその応用利用を真剣に研究する必要に迫られていることは、全国教育研究所連盟(会長 鈴木勲国立教育研究所長)が「教育にお

 

表2 各学科の情報処理関係科目の履修状況と使用機種

表2 各学科の情報処理関係科目の履修状況と使用機種

 

表3 第10回情報処理検定試験

表3 第10回情報処理検定試験

 

 

 

 


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