教育福島0107号(1985年(S60)12月)-039page
れさせ、自由に操作させるという活動を中心に、その中から、「てんびんのしくみの理解」や「測ってみたいという意欲」、「どうして測るかという問題意識」などを引き出した。
◎ 思考活動を促す場や発表を行う場と時間を十分に与えてやること。
◎毎時間の理科指導の中で、継続的、計画的な学習訓練や基礎的な観察、実験の能力を高めること。
◎ 教師は常に児童の活動が生きる素材の準備と教材の開発に努力すること。
◎ 一部の児童の活動のみにならないよう、一人一人の活動を大切にすること。
以上、(A)講座について紹介してきたが、その他の研修内容に、野外研修や観察、実験についての研修が盛り込まれている。
二、小学校低学年理科(B)講座
この講座は、低学年理科指導のあり方、及び教材教具の工夫についての研修が中心になるが、その中に授業参観を通した研修が組み込まれている。
本年度は、福島市立第三小学校の沓沢宏教諭に授業の提供と指導助言をいただき、それをもとに、次のような内容について研究協議を行った。
◎ 授業参観を通した研修
○参観する授業について授業のねらいや観察の視点などについて理解を深める。
○主として、低学年理科指導のあり方という観点から、授業のねらいと指導過程とのかかわり、教材と児童の実態とのかかわりなどについて観察する。
○授業参観後、授業のねらい、教材の提示の工夫、児童の反応などについて全体で話し合い、次のような点を確認した。
・低学年においては、特に児童の興味関心に支えられた学習活動が展開されるようにしなければならない。
・児童の考え方は素朴であり、多様である。このような児童の考えを大切に取り上げ、それらを組織していくことによって、児童の学習が深められる。
おわりに
以上が講座における授業研究の概要である。研修に参加された先生方は、時間の経過も忘れ、授業研究と理科教具の製作に真剣に取り組んでいた。
今後、一層講座の運営に検討を加え、明日からの授業に役立つよう、魅力ある観察、実験法や授業研究法の開発に努めていきたい。
図1 授業研究評価表
4年生の授業風景(つり合ったぞ…)
2年生の授業風景(あっ…できた)