教育福島0107号(1985年(S60)12月)-045page
ぼくの学校わたしの学校
県立東白川農商高等学校
鮫川分校
三年 大森八重子
校長 白土清藏
生徒数 52名
お元気ですか、置き忘れられた風鈴が、時折美しい音色を流しているそんな季節になりました。
標高四百五十メートル。福島県の南東部に位置する農林業中心の小さな村鮫川でも、そんな秋の色を静かに感じながら私たちも毎旦元気に生活しています。
さて、私たちの学校、東白川農商高等学校鮫川分校でも、この時期になりますと、さまざまな行事が行われます。三年に一度の学校祭、芋煮会、運動会など、どれも高校生活の中で忘れられない思い出になることでしょう。
また、今年は、例年松川浦の海浜青年の家で行われている夏季研修の代わりに、筑波で開かれた科学万博を見学してきました。今まであまり身近に感じていなかった新しい科学の力に、だれもが驚き目をみはっていたようです。来年には、二、三年生合同の北海道への修学旅行があります。私たちは去年行って来ましたが、自然の雄大さに接し、将来の夢も開けてゆくような大きな心になれました。
鮫川分校は、五十二名という少ない生徒数ですが、かえって地域の人々が力をかしてくれます。例えば、通学するのに遠い生徒に、小・中学生専用のスクールバスに乗せていただいたり、いつでも自由に、運動場やプールなどをかしていただいたりしています。だからと言うわけではないのですが、そのお礼の意味も含めて、毎年春と秋に生徒会の奉仕活動の一つとして道路清掃を行っています。
先生も九名というミニ校ですが、先生と生徒、先輩と後輩が仲良く協力し合い、ほんとうに家庭的なあたたかい学校です。スポーツ施設に恵まれているので、ほとんどの人が放課後の部活動に参加し、中でも三十名足らずの女子の中から、テニスや卓球部が県大会に出場し活躍しました。私はこういう学校が好きですし、生徒会でも、クラスでも、クラブ活動でも、大規模校では経験できないことをいろいろ経験し、卒業を間近にした今、この学校にきてほんとうによかったと思っています。そしてなにより私たちはこの学校に埃を持っています。
どうぞ、阿武隈山系南端の山ひだに囲まれた鮎川分校に一度お立ち寄り下さい。
校舎全景
清掃活動に励む生徒たち