教育福島0110号(1986年(S61)04月)-031page

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<特集3>

 

情報処理教育の推進

 

はじめに

 

今日の情報化社会では、エレクトロニクスを中心とした技術革新などにより、コンピュータ等の情報処理分野や電気通信分野における進展が極めて著しく、職場においてもオフィスコンピュータやワードプロセッサなどの事務機器や産業ロボットが積極的に導入され、オフィスオートメーション化やファクトリーオートメーション化が現実のものとなってきている。

さて、本県の情報処理教育については、昭和四十七年に商業高校に情報処理学科が、昭和四十九年には工業高校に情報技術学科が設置されて以来、情報処理機器の整備・充実が図られてきたところである。しかし、今までの情報処理教育は、ハードウェアの特性もあって、前述の職業学科が中心であった。

最近、電子技術分野の急速な進展により、据え付け型の汎用コンピュータから、小型でパーソナル化されたパーソナルコンピュータ(パソコン)が普及するに至り、コンピュータ利用の範囲は、飛躍的に広がると共に、その利用対象者も増える結果となった。

利用面からみると、大量のデータ処理や高度な科学技術計算などの業務処理としての利用に加え教育機器としての活用や、グラフィック機能を駆使した統計・分析業務、ゲームなど、その用途はソフトの開発によってますますの広がりをみせている。同時に、利用対象者も、従来の一部専門家のためのコンピュータから、誰れもが気軽に、容易に操作し、使用できるパソコンとなった。その結果、コンピュータリテラシー(コンピュータを自在に利用できる能力)が、情報化社会で生きる人々に求められ、今後、他の学科の利用も期待される。

さて、教育委員会は本年度の重点施策の一つ「豊かな人間性と創造性をはぐくむ学校教育の推進」の中で「情報処理教育の充実」を掲げ、施設・設備面で、工業科設置校二校に、商業科設置一校に汎用型コンピュータが新規導入または更新される他、パソコン二十四台が、商業科設置校四校にそれぞれ導入される予定である。

また、昭和五十九年度の二か年間にわたり教育委員会は「情報処理教育」研究分野の研究校に、福島商業高等学校と郡山北工業高等学校を指定した。

両校の研究は、いずれも主としてパソコンの活用を目指したもので、前者はパソコンを、学習意欲を高め、基礎基本の定着に役立てるための教育機器として利用(CAI学習)する研究、後者はパソコンを学習指導に取り入れ指導効果を高めることを目指した研究である。今後、パソコンは教育機器としても、ますます重視されると考えられ、そのためのソフト開発の研究が大きな課題になるものと思われる。その意味で、今回の両校の研究は、先導的な役割をもつもので、多くの学校に示唆を与えるものと期待される。

 

学習意欲を高め、基礎、基本の理解を深めるための情報処理の推進

 

−県立福島商業高等学校−

 

一、はじめに

 

本校では昭和四十七年、県内最初に情報処理科を設置した。同年十二月、小型汎用コンピュータNEAC二二〇〇モデル五〇(日本電気)を導入した。

昭和五十九年八月には、情報処理教育の充実をはかるため、福島県単独の教育施策事業により、パソコンFM11BS(富士通)二十四台が配置された。本年二月末には、老朽化したNEAC二二〇〇を更新、ACOS四一〇モデルニ○を設置した。

新しいコンピュータシステムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、ラインプリンタ装置等、最新の周辺機器を装置したものである。このシステムは、端末装置にパソコンPC9801VmI二十四台を接続し、別にオフラインとして、同種パソコン二十四台を備えている。特長は、パソコンを全てオフラインとして使用すると、四十八

 

 

 


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