教育福島0110号(1986年(S61)04月)-045page

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を各講座共通に設定し、基礎的研修を行うこととしました。

なお、カウンセリングについては、小中高の校種別に「学校カウンセラー講座」として専門性を高める場を設けていますが、初級・中級・上級の講座を設定し、教育相談の理論と実践力の向上をねらいとして、教育現場に直接役立つ内容を配慮しています。

更には、ニューメディア開発の急速な進歩にともない、学校教育への情報処理教育機器の導入に対応できるよう研修内容の充実を図っていますが、本年度は、小学校教員、中学校教員を対象に情報処理教育講座を開設しました。

 

三、研究事業について

 

研究事業は、当教育センターの研究機関としての役割と使命を達成するため、広く全国的視野に立って教育の動向を見守り、本県が当面している教育上の課題や学校が直面している教育実践上の諸問題と関係する研究主題を設定し、理論と実践の両面から専門的に追究していこうとするものです。

研究課題によって、プロジェクトのチームによる共同研究と各自が担当する個人研究とに分けられ、年次並びに年度の研究計画に基づいて推進しています。

これらの研究成果は、各研修講座の内容と一体化させ、講座内容に反映させるとともに、所報、研究紀要、研究資料として刊行し、教育現場の実際の指導に活用されるよう計画しています。

本年度の研究課題とこれまでの研究経過は次のとおりです。

 

(一)学校の教育目標と教育課程に関する研究

 

この研究は、学校の教育目標を日常の教育活動全体の中に生かす方法を具体化し、教育課程の改善充実に役立てるために行うものです。昭和五十九年度からの三年継続研究で、本年度は最終研究年度です。

各教科・道徳・特別活動及び学年・学級経営等の中で、教育目標の具体化をどのように図りどう具現するか、その具体的計画と実践例を県内小中学校の研究協力校より収集して分析考察し、それぞれの教育目標を教育活動に生かすことのできる具体的計画例を作成します。この研究は、当教育センターの研究紀要として刊行します。

 

(二)学習指導と評価に関する研究

今日の教育に求められている人間性豊かな児童生徒の育成を図るには、ぺ−パーチストでは測りにくい情意面の評価が大切です。指導と評価は一体でなければならないからです。

本研究では、昭和五十八年度以降、小学校社会科、小学校音楽科、中学校英語科の検証授業を通して、情意領域の学力である「関心・態度の評価」の在り方について追求してきました。

本年度は、この研究の最終研究年度で、これまでの研究成果や問題点をふまえ、小学校国語科、中学校保健体育科について実践研究を行い、当教育センターの研究紀要として刊行します。

 

(三)自己教育カを育てる学習指導法の改善に関する研究

本研究は、小中高等学校を対象として、自己教育力を育てる視点から学校教育の実態を見直し、本年度から二年継続で研究を行うものである。

本年度は、自己教育力を育てる理論研究と、その理論に基づく学習指導法の研究を行い、実践研究と検証結果をまとめて研究成果と問題点を明確にし、次年度の研究資料とする。

 

(四)生徒指導の機能を生かした指導のための実践研究

これは、非社会的行動をもつ児童生徒の心理的背景を探り、その改善を図るための指導に役立てる意図で行う生徒指導の基礎的な調査研究です。

本研究は、非社会的行動をもつ児童生徒の性格、家庭環境、家族関係、友人関係、その他に関する調査を行い、その心理的背景はどうであるかを探るとともに、問題の改善を図るためにはどのように生徒指導の機能を生かした指導を行えばよいかを探ることに役立てようとするものです。

本研究は、本年度から二年継続で行うもので、本年度は、理論研究とともに各学校の実態を調査し、基礎資料の収集と分析を行うものです。

 

(五)事例を通した教育相談の進め方に関する研究

これは、非社会的行動をもつ児童生徒への心理的な指導援助で、本年度からの二年継続研究です。

本研究は、当教育センター教育相談部に来所する非社会的行動をもつ児童生徒の改善のための心理的アプローチを中心に研究するもので、家庭の問題(家庭的背景)、学校の問題(学業・生活・対人関係などの背景)、社会の問題(社会的背景)などを構造的にとらえ、更に心理検査をもとに、本人の自己教育力の育成や家族・教師とのかかわりを検討し改善を図るものです。事例研究の中間報告を、当教育センターの研究紀要として刊行します。

 

おわりに

 

昭和六十一年度研修・研究事業の概要を述べましたが、くわしくは、「教職員現職教育計画」、「福島県教育センター研修事業計画」、「教育年報」、「所報ふくしま」等を参考にして下さい。

 

教育センター

 

 

 


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