教育福島0111号(1986年(S61)06月)-007page

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ら生まれる。しかし科学技術は、そのようにして人間の獲得した力を百倍にも千倍にも拡大して展開させる力を持つ。科学技術は効用と副作用とを持っており、この両面を十分に踏まえて、情報化を教育の中に適切に位置付け、次世代の「テクノターザン」を育てていくことが教育に与えられた目標であると考える。

特に最近の子供たちの間でのコンピュータを応用したゲーム機器に対する爆発的な人気をみるにつけ、学校における情報化への本格的な取り組みの必要性が痛感されるのである。

第三に、情報化への本格的な取り組みを推進するためには、パソコンなどの新しい情報手段を先生方が本と同じように取り扱えるようにしていくことが重要であろう。人間は改めていうまでもなく、普遍的に最高の教育主体であり、独創的なものの見方や自発的な問題探究の態度は、基本的には教える人と学ぶ人との人間的なつながりの中で育くまれていくものに外ならない。パソコンなどは本と同様指導のための一つの道具であり、先生方が道具として完全に使いこなしていくことが必要である。更には、先生方が使いこなしていく中で手作りのソフトウェアが蓄積されていくことが重要である。

そのためには、情報技術に関する素人でも簡単にソフトウェアを作れるようなシステムを開発する一方、教育的見地から優れたソフトウェアのガイドラインを明らかにし、更には機器の互換生を確保して優れたソフトウェアが流通しやすい環境を作っていく必要があろう。

今年度から、文部省と通産省とが協力して、これらのための政策に本格的に取り組むこととなっている。省庁間の卑近な縄張り意識を超えてこれらの政策が実行されていくことは喜ぶべきことであり、今後大きな実を結ぶことを期待している。同時に、現場の先生方におかれても、具体的な指導経験を活かした積極的な取り組みをお願い致したい。役所レベルと教育現場とが車の両輪として機能することにより、我が国独自の新たな教育の地平を切り拓いていきたいものである。

 

福島県教育センター「情報処理教育講座」

福島県教育センター「情報処理教育講座」

(BASIC・1)のひとコマ

 

▼県立福島工業高校でのアームロボット、マシニングセンターによるFAシステムの実習風景

提  言

 

提  言

 

 

 

 


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