教育福島0111号(1986年(S61)06月)-011page
(2) 主な実践内容
▼ビューピルテスト▲
「生徒の内面生活の理解と予測」という意味で用いられる検査の一つであるが、一人一人の生徒の把握という面では極めて有効であり、活用度が高い。また、学級集団などの状況も把握でき、変容も確かめることができる。(資料5)
▼生活記録ノートの活用▲
教師と一人一人の生徒の話し合いを「生活の記録」を媒体として続けている。生徒は毎日「生活の記録」を通して本音で教師に語りかけ、教師も必ず毎日それに応答する。この方式は一人一人の生徒の向上に役立つばかりでなく、調査や検査には見られない生徒の内面をとらえることができ、問題の事前察知にも極めて有効である。その上、これが保護者、生徒、教師を結びつける強い働きをしている。(資料6)
(二) 授業部
(1) 研究の見通し
学級指導、学級会活動、道徳の時間及び各教科の相互関連を図りながら自己を表現し、相互に認めあい、励まし合えるような「話し合い活動」を指導過程に適切に取り入れて実践の意欲を高めていけば、日常生活の具体的場面での指導援助と相まって主体的に行動できる生徒が育つと考える。
(2) 主な実践内容
▼話し合い基本ルールの確立▲
話し合い活動を円滑に、しかも民主的に進められるように、資料7のようなルールを作り、指導の徹底に努めた。
(三) 日常指導部
(1) 研究の見通し
生徒は本来は活動的である。自分が認められ、受け入れられ、活動する場と機会と方法を見い出せば、自ら活動に取り組むものである。小集団において「話し合い」を有効に取り入れて活動意欲を高め、実践を積み重ね、事後の見通しがもてるような指導援助を継続していけば、主体的に行動できる生徒が育つと考えられる。
(2) 主な実践内容
▼基本的な生活習慣の確立▲
一日の生徒のあるべき生活のしかたを登校から下校まで設定し、朝と帰りの短学活の中で、「話し合い」を本音で展開させながら確立していく。
(資料8)
▼学級指導、学級会活動、道徳の時間の充実▲
全体計画を改善し、それに従って指導を展開する場合、各学級の生徒の実態、教師の持ち味もあって指導過程を設定することには異論もあるが「話し合い活動」を大切にした授業を展開する意味で基本型を設けた。(資料9、10)
資料5 ビューピルテストによる「変容」分析(一部)
資料6 生活記録ノートの例(一部)
資料7 話し合い基本ルール
基本ルール
○ルール(1)聞くことは、話すことより優先する。
○ルール(2)相手の発言内容をまず一応認める。
○ルール(3)断定をくだすような発言は控える。
○ルール(4)自分の発表内容について、他の人の意見を求める。話し合うための発言のしかた
○意見、感想
・私は……だから……だと思います。
・私は……だと思います。そのわけは……だからです。
○つけ加え
・……さんの意見につけ加えますが……だと思います。
○賛成、反対
・……さんの意見と同じで(ちがって)……だと思います。
・……さんの考えに賛成です。 (反対です。)そのわけは……だからです。
○質 問
・……さんに質問ですが……とは、どういうことですか。
・……のところを、もう少しくわしく説明してください。
・私は…∵・という考えですが、……さんの意見を聞かせてください。