教育福島0111号(1986年(S61)06月)-013page
が直接生徒たちに反映すると考えられるからである。
小中学校及び地域社会との連携を深め、学校の特色を生かした生徒指導
−基本的生活習慣形成をめざして−
塩川町小中学校
一、研究主題設定の理由
(一) 学校・児童生徒の実態
本町は、中学校一校、小学校四校で一地域としてまとまり易い特色をもっているが、小学校相互間、小中学校の連携に弱さがある。
児童生徒は、全体的に明るく素直でのびのびしているが、やや生活態度にけじめがなく、自己本位的・衝動的で根気強さが足りない面がみられる。
(二) 地域社会の実態
近年、都市型文化の風潮をもろに受け、核家族化の増大とともに保護者の価値観も非常に多様化してきている。従って、児童生徒の基本的生活習慣の形成についても、柔軟な対応のしかたが課題となってきた。
以上のような現状から、基本的習慣の形成を図るため、各校の特色を生かした研究を基底に、地区共通の研究主題のもと小学校間、小中学校間の連携を一層深め、小中一貫性のある生徒指導を推進するとともに、家庭、地域社会、関係機関との連携のあり方についてまで深めないと、自己実現のできる資質や態度の育成にはつながらないと考え、この主題を設定した。
二、研究内容及び方法
各小・中学校独自の研究主題のほかに、地区共通の主題にせまるため、研究全体構想図を明確にした。資料12はそれを要約したものである。
三、研究組織
(一) 地区指定校連絡協議会
◎ 総括的な重要事項について、検討審議をする。
○ 町内小中学校長五名
(二) 生徒指導研究推進委員会
◎ 実質的な推進役を果たし、企画調整、運営の中核となる。
○ 地区指定校連絡協議会代表二名、各校教頭五名、各校研修主任五名、各校生徒指導主事五名、教育委員会事務局員一名
(三) 専門部
1 指導部
◎ 主題にそって研究指導方針を確立し、地区共通課題解決実践のため各校の校内研究を援助する。
2 地域連携部
◎ 主題にそって、小中学校の連携家庭、地域社会、各関係機関との連携の方法を研究実践する。
3 調査部
◎ 主題にそって研究資料の収集、諸調査、広報活動を行う。
○ 専門部の構成は、研究推進委員を中心に各校より若干名補充し、部長、副部長を置く。
四、研究実践の概要
(一) 各校の特色を生かした日常指導
基本的生活習慣形成共通実践事項八項目を中心に、基本的な手順として、1)問題点を焦点化し、2)問題点の原因をさぐり、3)解決の具体的な方策をたて、4)具体的な指導をふまえながら、指導のチェックポイントをおさえて習慣形成を図ってきた。
1 学級経営を母体とした指導
共通実践事項を月や週の生活目標と関連させ、自己評価カードを発達段階に即して作成し、自己の変容をめざした。
この自己評価カードの利用は、教師のコメントを入れた点検と本人の反省がなければ向上しないので、その場を学級朝の会や帰りの会に設定した。それも限られた時間内に効率よく点検反省ができるようプログラムに修正を加えて実践した。
2 児童会・生徒会活動を通しての実践
委員会活動を中心に、児童生徒が共通実践事項に対して自ら自分たちの生活に課するものとして受けとめ、実践できるよう指導してきた。
一例をあげると、児童・生徒集会で「友だちに親切にされた経験」「忘れ物をしないようにするわたしの工夫」等の体験発表を組み入れながら実践意欲を高めてきた。
3 道徳との関連を図った実践力の指導
校内研究を通して道徳の時間の指導の充実を図り、道徳的実践の指導を共通実践事項8項目と関連させながら重点化し、月別、週別の実践目標として意図的・計画的に実践してきた。
資料12 基本的生活習慣形成の研究構想