教育福島0111号(1986年(S61)06月)-015page
各家庭に配布し、家族みんなが見えるところにはって、それぞれの家庭で月目標、週目標をきめ家族ぐるみでチェックし、家庭における基本的生活習慣の形成に役立ててきた。さらに、保護者個別懇談会、家庭訪問等の話題の中核に取りあげたり、学級だよりや家庭連絡帳を通して意識の深化に努めてきた。
2、学校と関係機関との連携
(1) PTA主催の基本的生活習慣形成のための研修会の開催
各家庭に配布された「○○よい子の一日」を家庭ではどのように活用し、基本的生活習慣形成に役だてているかを相互に発表しあって、地域全体の家庭教育力向上をねらった研修会である
実施方法としては、一学期は各PTA、二学期は連合PTA主催で、低学年部会、中学年部会、高学年・中学校部会の三分科会場に別れて、それぞれに数人の話題提供者からの発表をもとに活発な研究協議がなされた。
(2) 連合PTA主催地区懇談会の開催
従来の懇談会は、夏季・冬季休業中の生活や非行防止が中心であったが、今回は内容的にも地域としての教育力が伸ばされるよう工夫し進めてきた。
(3) その他の関係機関との連携
民生児童委員と教師の懇談会を年二回、公民館青少年諸活動との連携、町青少年育成町民会議との提携によるステッカー、ちらし配布等で基本的生活習慣形成の指導に努めてきた。
五 研究の成果
(1) 児童生徒が、それぞれに望ましい児童・生徒像を意識し、自ら基本的生活習慣形成への意欲をもち、その児童生徒なりに好ましい変容がみられるようになってきた。
(2) 教師自身の指導姿勢が変わり、児童生徒への対応と理解のしかたに、きめ細かさがでてきた。
(3) 家庭・地域及び関係機関との連携・働きかけは、地域の教育力向上に啓発的役割を果たし、地域住民に生徒指導の重要性について理解が深まった。
おわりに
学校は、常に士気の高揚を図り、集団的秩序の維持に努めなければならない。しかし、その基盤に教師と児童生徒、児童生徒同士の温かく共感的な触れ合いが必要である。胸襟を開いて心情を吐露し合うことが生徒指導の絶対条件である。
児童生徒に「生きがいをもって生きよ」というとき、「そういう先生は、生きがいをもっているのですか」と問い返されていると受けとめる必要がある。この問い返しに、からだと実践によって答えなければ、児童生徒への問いかけは無力なものになってしまう。この意味で生徒指導は、児童生徒への助言、援助であると同時に、自分自身の自己分析でなければならない。同じことを口にしても、その教師の人格生によって、与える影響の深さ、重みはまったく違ったものになることを銘記し、生徒指導を積極的に推進したいものである。
資料13 個人カルテ