教育福島0111号(1986年(S61)06月)-020page
・第二研究班
「ホームルームにおける自主活動の進め方」
・第三研究班
「教師と生徒の相互理解を深め、目的意識を育成するためにはどうすれば良いか」
(二) 実践項目(表1参照)
五、研究実践の概要
(一) ショートホームルーム関係
教師主導で生徒が受け身の色合いの濃かったショートホームルームに五つの実践項目を取り入れ改善を図った。
全校生への同質の伝達、生徒の活動領域の拡大、基本的生活習慣の形成、生徒会との疎通、などの効果があがった。なかでも「個別話しかけ運動」は一日の始まりに生徒の意欲を喚起するうえで有効であった。
(二) ロングホームルーム関係
現行ロングホームルーム年間計画一切について再検討を加え、各部・各学年・各教科との連携をとりながら、生徒の要望、活動領域を取り入れるように試みた。年間実施計画作成と自主活動案の作成について記してみる。
・〈ロングホームルーム年間実施計画〉
従来、担任が中心になって年間実施計画をたてていたが、その手順を表2のように改善した。
この手順を経たことにより、生徒のロングホームルームに対する関心が高まり、魅力あるテーマが引き出された。
・〈ロングホームルーム自主活動案〉
毎時の実施にあたっては運営方法を次の三つに分類し、教師主導であったロングホームルームに生徒の自主性、主体生を多く取り入れた。
[S案]……担任の指導助言のもとに生徒 (Student)が実施計画をたて、自主活動案を作成し準備・実践・反省をする。
[T案]……担任(Teacher)が実施計画をたてる。
[ST案]……担任と生徒が共同で実施計画をたて、分担・協力して運営する。
自主活動案作成の定着を図るためにホームルームリーダー研修会で指導し実践の場面では担任が指導にあたった。この実践により、生徒は自分たちでやり遂げたという自信と充実感を得、S案形態によるロングホームルームに意欲をもって取り組んだ。(表3)
(三) ホームルーム別自主活動関係
自主活動の体験が少ない本校生にその意義や計画・実践・反省の仕方等を理解させるために生徒組織として自主活動推進委員会を設置し、実践活動に入った。
1) 環境美化運動全体計画に基づいた活動
「花壇の作成」および「校内美化運動」に各クラスがそれぞれの特色を生かして取り組んだ。実践を深めていくにつれ、生徒会がリーダーシップをと
表1 研究実践項目
表2 ロングホームルーム年間実施計画作成過程