教育福島0111号(1986年(S61)06月)-021page

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るようになり、厚生局を中心にした全校規模の活動に進展した。

2) 各クラス独自の自主活動

生徒の自主性を一層高めるためにクラス独自の活動に取り組ませた。五十九年秋に完成した馬城会館を利用しての合宿、市内の公園・道路等の美化奉仕活動、キャンプ、献血運動、郷土の文化財めぐり、等々それぞれのクラスが多彩な活動を展開した。実施後の調査では十五クラスのうち十クラスがリーダーが積極的に働きかけたと回答し、十二クラスがよく協力したと回答している。

3) 一日ホームルーム

総合的な立場から自主活動を更に高めるために学年規模の一日ホームルームを実施した。

・第一学年……松川浦を拠点に活動。

・第二学年……海浜青年の家付近の公園を拠点に活動。

・第三学年……地元企業の見学。

表4がその一例である。

(四) 相互理解を深めた中での目的意識の育成関係

個人別カード、対話月間、自己診断カードにより教師と生徒、生徒自身の理解を深め、学習ガイダンス、相高カレンダー、助け合い学習により、学習意欲の喚起、計画性のある生活の確立を図った。

生徒を客観的、総合的に理解し、指導をより充実させるために新一年生を対象に作成した個人別カードについて触れてみる。

・〈個人別カード〉

1、カードの編成(表5参照)

2、活用の仕方

・クラスごとにファイルし、全校のカードを一か所に保管する。

・生徒指導に資するために担任以外の先生も自由に閲覧できる。

3、留意点

・秘扱いとし、保管および利用にあたっては充分に配慮する。

・資料の一つであることをふまえ、生徒理解の一助とする。

 

六、研究実践の成果

 

(一) ショートホームルーム・ロングホームルームの改善、充実により、ホームルームの経営が根本的に見直され、生徒の要望、自主性を取り入れた魅力と活力のあるホームルームが各クラスで展開されるようになった。

(二) 環境美化運動、クラス別自主活動を通して生徒の自主性、主体生が高まり、集団活動の意義や公徳心などが身についた。

(三) 教師と生徒の相互理解、生徒の自己理解が深まり、目的意識を持って学校生活を送る生徒が増えてきた。

(四) 研究実践が進むにつれて、職員間の共通理解およびホームルームの重要性についての認識が深まり、教師自らもホームルームの充実と活性化をめざして積極的に取り組むようになった。

(五) 挨拶、服装、頭髪など良くなってきており、問題行動による指導生徒数は対前年比で六十パーセント減少し、いじめを含めた被害調査では五十七パーセント減少した。生徒総会、馬陵祭が例年になく盛り上がるなど生徒指導の在り方に新しい視点を示唆した。

 

七、今後の課題

 

(一) 実践項目別に明らかになった課題の解決をはかること。

(二) 生徒の意識、・行動が変容しつつあり、この定着をはかること。

(三) 二か年にわたって研究実践をすすめ

 

表3 自主活動案

表3 自主活動案

 

表4 第1学年1日ホームルームの概要

表4 第1学年1日ホームルームの概要

 

表5 個人別カ−ドの編成

表5 個人別カ−ドの編成

 

 

 

 


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